革命的労働者党建設をめざす解放派全国協議会

解放派全国協議会について

革命的労働者党建設を目指す解放派全国協議会（略称：解放派全協）は、日本における新左翼党派の一つであり、1980年から1984年にかけて革労協狭間派から分裂して結成されました。本稿では、その歴史、思想、組織構造について詳しく探ります。

概要

解放派全協は1977年の中原一（笠原正義）の殺害事件を契機に、社青同解放派内部での対立と分裂が進行しました。特に、狭間派（武闘派）と滝口弘人らの労働者グループ（労対派）の対立が激化し、1980年に狭間派が労対派を武装襲撃する事件が発生します。この事件に端を発して、1981年に労対派が革労協から分裂し、1984年には解放派全協が正式に結成されました。

歴史的背景

解放派全協の成立は、日本の新左翼運動が激動の時期を迎えたことを示しています。1977年2月11日、中原一が革マル派によって殺害されると、徹底的な報復を主張する狭間派と、大衆闘争や労働運動を重視する労対派との対立が激化しました。特に、狭間派は軍事主義的な戦略をとり、労対派はその路線を批判しました。

1980年9月、狭間派が労対派を武装襲撃する九・一五襲撃事件が発生し、この結果、両派の対立は一層顕著になりました。労対派は狭間派を「宗派グループ」と批判し、組織再建に向けた議論を進めました。1982年には組織の抜本的再建を宣言し、その後1984年に解放派全協の設立に至ります。

指導者と思想

解放派全協の指導者には滝口弘人があり、彼は社青同解放派の設立者でもあります。彼の指導の下で、解放派全協はその思想的な基盤を分裂前の社青同解放派と引き継ぎ、国家権力に対抗するための大衆闘争を重視しました。

機関紙『解放の通信』や『連帯』などを通じて、その主張や思想を発信してきました。解放派全協は、過去の分裂の影に暗い影を持ちながらも、独自の路線を進めています。1985年には再建の過程の一環として、政治組織再建のための「協議体」と位置づけられるようになりました。

主な活動拠点

解放派全協は、全国の大学や労働組合において活動しています。特に、東京大学、早稲田大学、明治大学、神奈川大学などが拠点となり、学生運動や労働運動に関与しています。また、全水道東京水道労働組合や国労高崎地本などの労働組合にも活動家が存在し、地域の労働者の組織化に努めています。

最近の動向

解放派全協は公式サイトの更新が長らく途絶えていましたが、2020年に活動の休止を宣言しました。これは編集委員会メンバーの死去が続いたことから「一定の到達点」に達したとされ、事実上の活動休止に至りました。その存在がこれからの日本の政治運動にどのように影響を与えるのか、引き続き注視される必要があります。

このように、解放派全協は日本の新左翼運動において重要な位置を占めており、その歴史的な背景や思想、活動の様子は、日本の政治運動を理解するうえで欠かせない要素です。

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