韓国光復軍

韓国光復軍の成り立ちと歴史

韓国光復軍（かんこくこうふくぐん）は、1940年9月17日、当時の中華民国の支援を受けて、重慶で成立した大韓民国臨時政府の軍事部門です。この組織は日本の植民地支配からの独立を目指し、連合国の軍隊として正式に認められることを目指していました。光復軍は、他の民族主義組織とは異なり、国際的な正当性を求める意図が強く、そのために結成されました。

創設と初期の活動

光復軍の創設当初は人員不足で、司令部のみが置かれました。初代総司令は李青天、参謀長は李範奭が就任し、1940年から始まる活動に道筋をつけました。1942年には、朝鮮人共産主義者の金元鳳が率いる朝鮮義勇隊の兵士が加わり、部隊が拡張されていきました。しかし、光復軍は日本軍と満洲国軍からの脱藩者、さらには中華民国指導下の民族主義者や共産主義者が混在して構成されていたため、内部での不和や団結の難しさが顕著でした。

光復軍は、特に1944年に至るまで国民党政府の軍隊として国民革命軍の下で活動を行い、数百名の兵士を保持していました。彼らは軍事訓練や募兵活動を行い、行動を展開しましたが、実際に戦闘にはほとんど参加できない状況が続きました。

終戦前の状況

1945年8月、日本がポツダム宣言を受け入れると、光復軍は朝鮮半島への侵入計画を練っていましたが、計画は実行されることなく終戦を迎えました。この時点での兵力は514名に達し、その中には中国人将校も含まれていましたが、実際の戦闘参加はほとんどありませんでした。終戦後、光復軍はアメリカ軍政政府の命命によって解体され、兵士は帰国を余儀なくされました。

冷戦とその後の影響

戦後、光復軍はアメリカによる支援を受けることができず、正式な政府として認められなかった大韓民国臨時政府も相まって、組織は急速に解体されました。特に、冷戦の影響が顕著になると、光復軍はその存在意義を失い、残る元兵士たちは多様な派閥に分かれました。多くの元光復軍兵士は、日本軍出身の他の派閥と連携せず、結果として国防警備隊への参加も少数にとどまりました。

また、光復軍の出身者はレイバー特権や地位を求めたものの、内的対立や教育不足から一部は他の派閥に属することが一般的な状況となりました。実質的に戦闘には関与してこなかった光復軍出身者の中で、政府の要職に就く者は多くなく、当初の勢力構築は実現されませんでした。

光復軍の評価

光復軍の存在は、韓国独立運動の一環として歴史的な意義を持ち、特に彼らの抗日活動は現在も継承されています。2014年、韓国では光復軍を称える記念碑が西安市に設立されるなど、世代を超えた評価が続いています。ただし、光復軍に所属していた多くの者が実際にはその活動に参加しておらず、戦後になってからの名目上の参加が多かったことも確かです。このような事情から、光復軍は単なる名目だけの組織として批判に直面することもありました。

全体として、光復軍は日本の植民地支配に抵抗し、大韓民国の誕生を目指した重要な組織であり、その功績は未だに評価される存在です。

もう一度検索