韓国推理作家協会

韓国推理作家協会：韓国推理文学の推進と国際交流

韓国推理作家協会は、1983年2月8日にソウルで設立された、韓国の推理作家団体です。英文学者の李佳炯（イ・ガヒョン）が初代会長を務め、その後、李祥雨（イ・サンウ）を経て、2009年7月時点では推理作家・歴史小説作家の李秀光（イ・スグァン）が会長を務めています。会員数は約80名（2000年現在）です。

主な活動

韓国推理文学賞の主催

韓国推理作家協会は、韓国推理文学賞（大賞および新鋭賞）を主催し、韓国推理文学界の発展に貢献しています。優秀な作品を表彰することで、作家の創作意欲を高め、読者の関心を喚起しています。

夏季推理小説学校の開催

毎年8月には、推理作家と読者の交流イベント「夏季推理小説学校」を開催しています。作家と読者が直接触れ合う機会を提供することで、推理文学への理解を深め、ファン層を拡大しています。

出版活動

韓国推理作家協会は、韓国の推理小説専門誌『季刊ミステリ』の編集・発行を行っています。また、毎年初夏には会員の作品を集めた短編集「今年の推理小説」を刊行し、会員の作品発表の場を提供しています。

季刊ミステリ

『季刊ミステリ』（계간 미스터리）は、韓国推理作家協会が編集・発行する推理小説専門誌です。2002年7月に創刊され、最新号の2009年秋号（2009年11月）までに、通巻25巻が発行されています。

新人賞と海外作品の紹介

季刊ミステリ新人賞を実施し、韓国の若手推理作家を発掘する役割を担っています。その一方で、海外作家の紹介にも積極的で、日本の推理小説も数多く翻訳・掲載されています。例えば、2008年夏号（通巻20号）では「日本推理小説ミニガイド」と題する特集が組まれ、日本の推理小説の歴史などが紹介されたほか、法月綸太郎「イコールYの悲劇」が掲載されました。

日本の作家の作品掲載

過去には、海野十三「爬虫館事件」（2006年春号）、高木彬光「殺意」（2006年夏号）、甲賀三郎「蜘蛛」（2007年夏号）など、日本の著名な推理作家の作品も掲載されています。

話題作の邦訳

『季刊ミステリ』掲載作品では、季刊ミステリ新人賞受賞者ソル・インヒョの「そして誰もいなくなった」（2008年夏号）が邦訳されており、『ミステリマガジン』2009年1月号で読むことができます。

短編集「今年の推理小説」

毎年初夏には、「올해의 추리소설」（今年の推理小説）という副題をつけた短編集を刊行しています。2001年および2002年は、1年に2冊刊行されました。この短編集の中から、いくつかの作品が邦訳されています。

日本推理作家協会との交流

1990年代初頭から日本推理作家協会との交流が始まり、中島河太郎と韓国推理作家協会の鄭泰原（チョン・テウォン）との間で書簡のやり取りが行われました。また、日本推理作家協会所属の推理作家・麗羅や生島治郎らが両協会の交流に力を注ぎました。生島治郎が亡くなった際には、韓国推理作家協会から追悼文が寄せられました。

韓国推理作家協会は、韓国推理文学の発展に大きく貢献しており、今後もその活動から目が離せません。

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