韓国電子通信研究院

韓国電子通信研究院（Electronics and Telecommunications Research Institute, ETRI）は、情報通信分野における韓国を代表する公的研究機関です。その起源は、1976年に設立されたKIST付属韓国電子通信研究所、韓国電子機器試験研究所(KERTI)、韓国電子技術研究所(KIET)という3つの研究所に遡ります。これらの研究所が統合され、1985年3月26日に現在の韓国電子通信研究院が発足しました。

ETRIは、科学技術情報通信部の傘下に属し、情報、通信、電子、放送といった幅広い分野における研究開発を担っています。特に、産業の源泉となる技術の開発と、その成果の社会への普及を通じて、国家経済と社会の発展に寄与することを目的としています。研究分野は多岐にわたり、ソフトウェアやコンテンツ、融合技術、情報通信部品素材、放送通信メディア、通信インターネット、そして未来技術まで、最先端の研究に取り組んでいます。

組織構成は、2015年12月時点で、6つの研究所（ソフトウェア・コンテンツ、融合技術、情報通信部品素材、放送通信メディア、通信インターネット、創意未来）に加え、UGS融合研究団、国家保安技術付属研究所、そして戦略企画本部、事業化本部、経営管理本部といった3つの本部で構成されています。この多様な組織体制により、基礎研究から実用化まで、幅広い領域をカバーしています。

ETRIの本部は、大田広域市儒城区柯亭路218番地に位置しており、韓国の科学技術の中枢としての役割を果たしています。長年にわたり、情報通信技術の発展を支え、韓国の産業競争力強化に大きく貢献してきました。ETRIは、今後も革新的な技術開発を通じて、社会の課題解決とより豊かな未来の実現を目指し、研究開発活動を続けていくでしょう。

ETRIは、単なる研究機関にとどまらず、産学官連携を積極的に推進し、研究成果の実用化を加速させています。また、国際的な研究協力も積極的に展開しており、世界中の研究機関や企業との連携を通じて、グローバルな視点での研究開発を進めています。これにより、ETRIは韓国国内だけでなく、国際社会においても重要な役割を担う研究機関として、その存在感を高めています。

ETRIの研究成果は、論文発表や特許取得といった形で社会に還元され、その技術は、情報通信分野だけでなく、医療、環境、エネルギーといった幅広い分野に応用されています。これにより、ETRIは、社会全体の持続可能な発展に貢献しています。

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