韓宜可

韓宜可（かん ぎか）

韓宜可は、元末から明初にかけて活躍した官僚で、字は伯時と称しました。本貫は紹興府山陰県にあります。

生涯

元の至正年間、行御史台から召し出され、官吏となることを求められましたが、これを辞退しました。明の洪武帝の時代に入ると、その才能を認められ、山陰教諭に任じられました。その後、楚府録事を経て、監察御史に抜擢され、権力者に対しても臆することなく弾劾を行いました。当時の丞相であった胡惟庸や、御史大夫の陳寧、中丞の涂節らを弾劾したことから、洪武帝の怒りを買い、錦衣衛の獄に一時的に投獄されます。しかし、すぐに釈放されています。

1376年、韓宜可は陝西按察司僉事として赴任します。当時、罪を犯した官吏は鳳陽に集められており、その数は万を超えていました。韓宜可は、罪の大小によって刑罰を区別すべきであると進言し、洪武帝に認められました。また、南京に入朝した際には、官に没収された男女を奴隷として与えられる機会がありましたが、これを辞退し、「罪人を下僕とすることは古の制度に反する」と述べ、男女の連座についても批判しました。この言論も洪武帝に認められ、のちに自身が連座による処罰を受けそうになった際も、洪武帝の直接的な糾問に対して慎重に対応することで罪を免れることができました。

韓宜可は、二十余りの事柄について上疏し、いずれも許可されましたが、後に罷免され帰郷しました。しかし、その後再び召喚され、洪武帝の命を受けて鍾山や大江を祀る文を執筆しました。また、洪武帝が日本への諭しや烏蛮への征伐の詔勅を出す際には、その意向に沿った文章を作成し、その功績により山西右布政使に任じられました。その後、事件に連座して雲南に安置されます。1398年、建文帝が即位すると、陳性善の推薦により、雲南参政として起用され、入朝して左副都御史に任じられますが、在官のまま死去しました。

脚注

参考文献
『明史』巻139 列伝第27

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