韓宝鉄鋼

韓宝鉄鋼（ハンボ철강）とは

韓宝鉄鋼は、かつて大韓民国に存在した、韓宝グループ傘下の製鉄企業です。韓宝グループは、最盛期には韓国財閥の14位に位置するほどの規模を誇っていました。

歴史

1997年1月23日、韓宝鉄鋼は不渡りを出し、経営破綻しました。この破綻は、韓国経済全体を揺るがす事態となり、韓国の通貨危機（IMF危機）の引き金になったとされています。

破綻の背景には、政界との癒着疑惑がありました。1991年の韓宝グループによる宅地分譲を巡る「水西事件」をきっかけに、当時の民自党代表最高委員であった金泳三と、韓宝グループの鄭泰守総会長との間に深い関係が築かれたとされています。1992年の韓国大統領選挙では、金泳三の次男である金賢哲と、鄭泰守総会長の三男である鄭譜根（当時の韓宝グループ会長）との関係が深まりました。選挙期間中、金泳三は大統領選挙にて数千億ウォンもの資金を使ったとして、選挙資金疑惑が追及される事態となりました。

その後、韓宝鉄鋼の資産は、資産管理公社によって管理されることになりました。2003年には、アメリカの企業再生ファンドであるAKキャピタルへの売却が検討されましたが、交渉は決裂しました。最終的に2004年、韓宝鉄鋼はINIスチール（仁川製鉄）および現代ハイスコ（ともに後の現代製鉄）に売却され、その歴史に幕を閉じました。

2019年6月には、国外に逃亡していた鄭泰守の四男、鄭瀚根が韓国国内に強制送還されました。鄭瀚根は、同じく逃亡中であった父、鄭泰守について、2018年末にエクアドルで死亡したと証言しました。その後、検察も鄭泰守の死亡を公式に発表しています。

関連項目

現代製鉄
韓宝グループ

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