音楽都市

ユネスコの音楽都市プログラム

ユネスコの「音楽都市」プログラムは、創造都市ネットワークの一環として、音楽を中心とした文化の発展を促す取り組みです。このプログラムは2004年に始まり、音楽をはじめとする7つのクリエイティブな分野において、都市がその特性や活動を評価されて選ばれます。音楽の他には、工芸、デザイン、映画、食文化、文学、メディアアートが含まれています。

音楽都市が持つ特徴

音楽都市に指定されるためには、ユネスコが示す評価基準に合致する必要があります。指定された都市には、いくつか共通の特徴があります。まず、その都市が音楽創造活動の中心地であることが求められます。また、国内外の音楽祭を主催する経験や、音楽産業全般を活性化させる取り組みを行っていることが重要です。さらに、音楽教育のインフラとして、音楽学校や専門の高等教育機関の存在、アマチュア団体による音楽教育システムが整備されていることが評価対象となります。

また、特定の音楽ジャンルや他国の音楽に特化したプラットフォームの存在、その地域で音楽を楽しむための文化施設（例えば野外オーディトリアムなど）の整備も重要な要素です。

要注目の音楽都市

このプログラムにおいて、セビリアが初めての音楽都市として2006年に認定され、その後ボローニャが続きました。セビリアは特にフラメンコ音楽の中心地として知られ、ユネスコによりフラメンコは無形文化遺産として登録されています。また、日本の浜松市は楽器メーカーが集まる場所として名高いです。

リヴァプールは、世界的に有名な音楽グループ「ビートルズ」の誕生地であることから、音楽が都市生活の中心であると評価されました。イダーニャ＝ア＝ノーヴァは「音楽のリズムによる生活」を提唱し、ヘントは「文化豊かな街」として認められています。ニュージーランドのオークランドも音楽産業の重要性が評価され、アデレードはその文化の洗練さとカジュアルさが高く評価されているのが印象的です。

現在の音楽都市の状況

2021年時点で、ユネスコによって50の音楽都市が指定されています。これらの都市は、地理的に様々な地域にわたり、ヨーロッパが19都市、アジアと中東で10都市、南北アメリカはそれぞれ6都市、アフリカに4都市、オセアニアには2都市が含まれています。7か国には2つの指定都市があり、インドやコロンビア、ポルトガル、イギリスにはさらに3つの都市が認定されています。これらの音楽都市は、音楽の発展や国際的な交流を促進する重要な役割を担っています。

関連項目

このプログラムの興味深い点として、他の創造的な分野に分類される「食文化都市」「文学都市」「映画都市」「デザイン都市」「工芸・民芸都市」「メディア・アート都市」との関連が挙げられます。これにより、文化の多様性や、地域に根ざした独自のアイデンティティが育まれています。

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