須永和男

須永和男：日本の外交官、多岐にわたるキャリアと貢献

須永和男氏は、日本の外交官として長年にわたり活躍した人物です。1957年、群馬県で生まれ、群馬県立桐生高等学校を経て、1980年に一橋大学法学部を卒業。その後、外務省に入省し、そのキャリアは実に多岐に渡ります。

外務省での初期のキャリアにおいては、北米局日米安全保障条約課企画官として日米関係の強化に尽力しました。特に、鳥島射爆撃場劣化ウラン弾事件では、現地調査団のキャップとして環境影響評価を行い、その専門性を示しました。その後、経済局国際エネルギー課長として、日本のエネルギー政策にも携わっています。

2000年には内閣官房安全保障・危機管理室の要職に就き、国家安全保障に関わる重要な役割を担いました。情報セキュリティ対策推進室副室長としての経験も有し、国家レベルでの情報管理に貢献したといえます。

その後も、外務省経済協力局調査計画課長、コロンビア大学国際公共政策大学院でのプロフェッショナルフェロー、国際連合日本政府代表部公使、在アラブ首長国連邦日本国大使館公使など、国際的な舞台で活躍。多様な経験を通して国際的な視野と交渉力を磨いてきました。

2009年からは外務省官房参事官として、国際協力局や南アジア部で勤務。さらに、生物多様性条約第10回締約国会議（COP10）日本準備事務局事務局長を務めるなど、環境問題への取り組みにも積極的に関与していました。

外務省でのキャリアを経て、2011年には防衛省防衛政策局次長に就任。防衛分野での政策立案にも貢献した経験は、彼の幅広い専門性を示すものです。2013年にはアトランタ総領事、2016年には東南アジア諸国連合（ASEAN）日本政府代表部特命全権大使に就任。ASEAN諸国との外交関係強化に尽力しました。

2019年には駐カタール特命全権大使に就任。カタールとの外交関係の深化に大きく貢献し、2021年に退官しました。在任中は、カタールの巧みな外交力について言及するなど、その外交手腕の高さを示しています。

退官後も、日本の安全保障に貢献するべく、2022年からは防衛省防衛研究所特任上席研究官として活動しています。

須永氏のキャリアは、日米関係、エネルギー問題、国際協力、環境問題、防衛政策など、多岐にわたる分野に及んでいます。それぞれの分野で培った経験と専門性を活かし、日本の外交と安全保障に大きく貢献した人物と言えるでしょう。彼のキャリアは、日本の外交官としての理想像を示すものであり、今後の日本の外交政策にも大きな影響を与え続けると思われます。同期入省者にも、内閣府副大臣や各国大使などを務めた人物が多く、彼らと共に日本の外交を支えてきたことがわかります。

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