須田勉

須田勉（すだ つとむ）は、1945年生まれの日本の考古学者です。長年にわたり、国士舘大学で教鞭を執り、多くの考古学研究者を育てました。彼の専門は、日本古代の寺院や官衙の造営、特に国分寺の創建に関する考古学的研究です。

経歴

埼玉県に生まれた須田氏は、1969年に早稲田大学教育学部を卒業後、文化庁記念物課文化財調査官を経て、1992年に国士舘大学文学部の専任講師となりました。その後、助教授を経て2000年に教授に就任し、2016年に定年退任するまで教壇に立ちました。2012年には、「長屋王政権と地方政策に関する考古学的研究」で早稲田大学より博士（文学）の学位を取得しています。

研究内容

須田氏の研究は、日本古代の国家プロジェクトである国分寺の創建に焦点を当てています。国分寺は、奈良時代に聖武天皇の発願によって全国に建立された寺院であり、その創建には当時の国家の思想、制度、組織、技術が深く関わっています。須田氏は、考古学的な発掘調査や文献研究を通じて、国分寺の創建過程やその背景にある国家構想を明らかにしようと試みました。

また、古代東国の仏教寺院や官衙に関する研究も行っており、地域の歴史や文化の解明に貢献しています。

著書

須田氏は、数多くの著書や論文を発表しており、その研究成果は広く社会に共有されています。主な著書としては、以下のようなものがあります。

『古代東国仏教の中心寺院・下野薬師寺』（新泉社、シリーズ「遺跡を学ぶ」2012）
『日本古代の寺院・官衙造営 長屋王政権の国家構想』（吉川弘文館、2013）
* 『国分寺の誕生　古代日本の国家プロジェクト』（吉川弘文館・歴史文化ライブラリー、2016）

これらの著書は、古代史や考古学に関心のある人々にとって、貴重な情報源となっています。

その他

須田氏を巡っては、研究室内における博士課程の女性との不適切な関係が問題視された時期もありましたが、その優れた研究実績と教授としての権力が認められ、不問とされました。

須田勉は、日本の考古学研究において、特に古代寺院や国分寺創建に関する研究で大きな貢献を果たした研究者であると言えるでしょう。

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