預流

預流（よる）とは

預流（よる、巴: sotāpanna、梵: srotāpanna）とは、仏教の教えにおける重要な概念であり、聖者の流れに入った者を指します。預流は「流れに入った者」を意味し、八正道という川を渡った先にある涅槃という広大な海へと進む過程の第一段階です。この段階に至ることで、特に強調されるのが「三結」の断絶です。三結とは、有身見、戒禁取見、疑の三つの煩悩を指し、これを断つことが預流果に至るための重要な条件とされています。

原始仏教と預流果

原始仏教の教えでは、預流に至るためには、まず三つの結을断ち切る必要があります。有身見は、五蘊を自我として捉える見解を脱することを意味し、戒禁取見は単なる儀礼や道徳に執着し、それを通じて解放を求める考え方を克服することを指します。そして疑というのは、釈迦、釈迦の教え、比丘の共同体といった三宝に対する疑念を捨てることを意味します。この三つを克服することで、預流果を得るとされています。

預流果の特徴

預流果に達した者は、例えどのような状況にいても、四悪趣（四悪道）に堕ちることはなくなります。四悪趣とは、地獄界、畜生界、阿修羅界、餓鬼界のことであり、このいずれにも再び生まれることは断たれます。また、六重罪を犯すこともできなくなります。六重罪には、仏陀を傷つけることや、親を殺すこと、阿羅漢を殺すこと、サンガを分裂させること、そして因果法則を否定する邪見に陥ることが含まれます。これにより、預流果に達した者は一定の精神的安全を保障されると言えます。

四預流支とその段階

預流果に至るまでの過程では、四つの段階を経る必要があります。これを四預流支と呼び、具体的には次のようなステップがあります。
1. 善士親近（Sappurisa-Samseva）: 善き師匠に近づき、敬い仕えること。
2. 正法聴聞（Saddhamma-Savana）: 師の教えをしっかりと聞き、学び、記憶すること。
3. 如理作意（Yoniso-manasikāra）: 聞いた教えの意味を考察し、理解すること。
4. 法随法行（Dhammānudhamma-ppaṭipatti）: 理解した教えを実践すること。

これらのステップを経て初めて、預流果に至る可能性が開かれます。

四預流果支と信頼

さらに、預流果に到達した者は、四つの特徴をもっているとされています。これは、仏陀、法、僧伽への完璧な信頼を含みます。また、僧伽が喜んで受け入れる戒を具え、禅定に導かれることが求められます。預流に達した者は、これらの信頼をもとにして今後の修行を進めることができます。

結論

このように、預流は仏教におけるステップの一つであり、教義と実践の中で非常に重要な位置を占めています。預流果に達するためには、理論と実践が揃うことが求められ、多くの修行者にとって憧れの状態となっています。仏教の教えを理解し、実践する過程において、預流の概念はその基盤を成すものとして重要視されています。

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