額村

額村の歴史と地理

額村（ぬかむら）は、石川県石川郡にかつて存在した村です。この地域は古くから「額七か村」と呼ばれており、額谷、大額、額乙丸、額新保など、「額」という字を含む地名が多く見られました。

地理

額村は、現在の金沢市の西部、中心市街地の南西に位置していました。村制の時期においては、米や野菜、瓜、リンゴなどの農業が主な産業でした。さらに、戦前には採石や瓦の製造も行われていました。

金沢市への編入後は、都市の中心部に近いことから、ベッドタウンとしての役割が強まり、多くの住宅地が形成されました。具体的には、額新町、光が丘、しじま台、南四十万などの新しい町名が地元に生まれました。また、村内には高橋川、七瀬川、碇川といった川も流れており、自然環境も豊かでした。名所としては、蓮如上人の墓（四十万）が知られています。

歴史

中世の段階では、大額、額谷、額乙丸、額新保、額三十苅、額助九、額栗林という7つの集落が存在していました。その後、額三十苅は三十苅に改名され、額助九と額栗林は廃村となりました。

1889年4月1日、町村制の施行に伴い、石川郡額谷村、大額村、額乙丸村、四十万村、三十苅村、額新保村、馬替村の区域を統合して石川郡額村が発足しました。1915年には石川電気鉄道（現在の北陸鉄道石川線）が開通し、村内に馬替駅、大額駅（現・額住宅前駅）、四十万駅の3駅が設置されました。1935年には粟田駅（現・乙丸駅）も開設され、交通の利便性が高まりました。

1954年7月1日には、額村は金沢市へと編入され、当時の7つの大字はそのまま金沢市の町名に引き継がれました。これにより、額村はその名称を失いつつも、その地域の歴史や文化は金沢市に引き継がれることとなりました。

交通

額村においては、北陸鉄道の石川線が通っており、馬替駅、大額駅（現・額住宅前駅）、粟田駅、四十万駅の4つの駅が整備されていました。これにより、村内外の移動がスムーズに行えるようになりましたが、村が金沢市に統合されたことで、現在ではこれらの駅も市の交通網の一部として機能しています。

結び

額村は、その地名や歴史的背景から多くの人々に記憶されており、また農業や交通、住宅の発展を通じて地域社会の変遷を見つめてきました。金沢市の一部として現在もその名を残している額村の歴史は、地域の人々に深く根付いています。

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