顔郵便マーク

顔郵便マーク（〠）とナンバーくん：郵便事業の歴史を彩るキャラクターたち

顔郵便マーク（〠）は、かつて郵政省（現・総務省）が郵便事業で使用していた記号です。正式名称は不明ですが、郵便記号（〒）をベースに、顔のパーツを加えてデザインされた親しみやすいマークとして知られています。この顔郵便マークに手足がついたマスコットが「ナンバーくん」です。ナンバーくんは郵政省による公式な愛称であり、顔郵便マークとは区別されます。

顔郵便マークのデザイン

顔郵便マークは、既存の郵便記号（〒）を帽子と鼻に見立て、目、まつげ、口といった顔の構成要素を追加し、耳やあごを加えて顔にしたデザインです。シンプルな中に愛嬌があり、親しみやすい印象を与えます。

ナンバーくんの誕生と役割

ナンバーくんは、1968年7月1日に導入された郵便番号制度の周知のために制定されたと思われがちですが、実は1966年7月に導入された定形郵便制度をアピールするために登場しました。1966年8月には、東京・大阪でテレビCMに登場し、その愛らしい姿を広くアピールしました。

その後、1967年に郵便番号普及のシンボルマークとして改めて制定され、1968年には胴体の左下の数字が削除されました。郵便番号制度導入当日に発行された記念切手にも登場しましたが、当時はまだ「郵便番号シンボルマーク」と呼ばれており、「ナンバーくん」という愛称は一般公募によって決定されました。1968年7月5日に発表されたこの愛称は、多くの人々に親しまれることとなりました。

ナンバーくんの活躍

ナンバーくんは、1968年から1973年にかけて12種類の切手に登場したほか、郵政省のパンフレットや一部郵便局の消印、さらには「ゆうパック」の前身である郵便小包の箱にもその姿が見られました。ナンバーくんの胴体は封筒を模した長方形で、右上には旧郵便番号5桁の上3桁を表す「123」という数字が書かれていました。このデザインは、郵便事業の象徴として広く認識されました。

ポストンの登場と役割の変化

1998年2月2日、郵便番号が7桁化されるのに伴い、新しいキャラクター「ポストン」が登場しました。1996年7月に発表されたポストンのデザインと愛称は、一般公募によって選ばれました。顔は7桁の郵便番号枠と子供の顔をデザインしたもので、胴体はポストを模した長方形です。

ポストンの普及に伴い、顔郵便マークやナンバーくんを日本社会で見かける機会は減少し、郵便事業のマスコットとしての役割を終えました。しかし、現存する設備や備品にはその姿が残っています。郵政民営化に伴い、新会社では「撤去が望ましい」とされ、急速に姿を消しつつありますが、ポストンの使用は継続されています。

記念すべき再登場

2018年、『2018年度郵便番号簿』の表紙で、ナンバーくんとポストンが「再登場」を果たしました。これは、2018年が「1968年の郵便番号導入から50年、1998年の7桁郵便番号実施から20年」という節目にあたることを記念したものでした。

デジタル化の波と課題

文字コードのユニコードやJIS X 0213で、顔郵便マークとポストンが同じコードポイントで表現できるかどうかは明確ではありません。Microsoft Windows Vistaに付属するフォント「メイリオ」では、ベータ版公開時に郵便マークのコードポイントにポストンの記号が使用されていたという事実も、デジタル環境における課題を示しています。

関連情報

以下に、関連する情報をまとめました。

郵便記号
日本郵政公社
日本郵政グループ
日本郵便
郵便事業
郵便局
総務省
日本の郵便局で使われてきたキャラクター
ぽすくま
ユウちゃん、アイちゃん（旧郵便貯金）
カンちゃん（旧簡易保険）
ポスティーズ（2007年〜2012年使用）
* Mr. ZIP（アメリカの郵便局）

まとめ

顔郵便マーク（〠）とナンバーくん、そして後継のポストンは、日本の郵便事業の歴史を象徴するキャラクターたちです。それぞれのデザインや役割、変遷は、時代とともに変化してきた郵便事業の歩みを物語っています。これらのキャラクターたちは、現在では目にすることが少なくなりましたが、日本の郵便事業の歴史を語る上で欠かせない存在です。

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