願行寺 (品川区)

願行寺は、東京都品川区南品川に位置する浄土宗の寺院です。新馬場駅から徒歩4分とアクセスも良く、多くの人々が訪れます。

歴史

願行寺は、奈良時代中期に行基によって開山されたと伝えられていますが、詳細な記録は残っていません。その後、1462年（寛正3年）に観誉祐崇によって中興され、現在の形になったとされています。

特徴

願行寺は、浄土宗寺院で行われる十夜法要が特に有名で、江戸時代には「山手第一の十夜」と称されていました。十夜法要とは、阿弥陀如来の功徳を称え、十夜の間念仏を唱え続ける法要で、多くの人々が参加しました。

境内

境内には地蔵堂があり、「願行寺のしばり地蔵」と呼ばれる地蔵菩薩像が安置されています。この地蔵菩薩像は1652年（承応元年）に作られたもので、縄で縛ると地蔵が苦しみを代行してくれるという言い伝えがあり、病気平癒を願う参拝者が多く訪れます。自身の苦しみを地蔵菩薩に託すという信仰は、古くから人々の心の支えとなってきました。

また、本堂と墓地の間の高架線は京急本線のもので、かつては地上に線路が走っていました。電車の音が響く境内は、都会の中にある寺院ならではの風景と言えるでしょう。

墓所

願行寺には、徳川家光の典医であった坂寿三の墓があります。坂寿三は、家光から与えられた土地2,000歩を願行寺に寄進したと伝えられています。この寄進によって、願行寺は寺基を固め、発展を遂げることができました。

アクセス

京浜急行電鉄本線新馬場駅より徒歩4分。

参考文献

平野栄次 著『品川区史跡散歩 (東京史跡ガイド9)』学生社、1993年
「品川宿 南品川宿上 願行寺」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ53荏原郡ノ15、内務省地理局、1884年6月。

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