類語辞典

類語辞典は、ある言葉と似た意味を持つ別の言葉、つまり類義語を集めた辞典です。別名「類義語辞典」とも呼ばれます。文章を書く際、同じ単語の繰り返しを避けたい時や、適切な単語が思い浮かばない時に非常に役立ちます。例えば、「綺麗」という言葉を調べると、「美麗」「秀美」「美妙」「流麗」といった、様々な「綺麗」の類義語を見つけることができます。多くの類語辞典には、それぞれの言葉の用例や語義も合わせて記載されており、より深く言葉を理解する手助けとなります。

特に、小説家や随筆家といった文章を書くことを生業とする人々や、短歌や俳句を詠む人々にとって、類語辞典は非常に重宝されるツールです。言葉の微妙なニュアンスを理解し、より豊かな表現を生み出すために欠かせません。

日本で最初の類語辞典としては、1909年（明治42年）に刊行された『日本類語大辞典』（志田義秀・佐伯常麿 共編／晴光館）が挙げられます。この辞典は2巻本で、講談社学術文庫にも収録されていますが、現在は残念ながら絶版となっています。

欧米圏では、類語辞典は「シソーラス (thesaurus)」と呼ばれています。日本の類語辞典は、その多くが五十音順で単語がまとめられており、ある単語から関連語を引くという使い方が一般的です。一方、シソーラスは全ての単語を意味で分類して編纂されているため、ある意味から関連する単語を調べることができます。また、シソーラスには、オックスフォードのA-Z形式のものと、ロジェの分野別形式のものがあり、それぞれに特徴があります。そのため、厳密には「類語辞典」とシソーラスは異なるものとして捉えるべきです。シソーラスは、より正確には「類単語辞典」または「類意辞典」と表現することができます。

以下に、代表的な類語辞典をいくつか紹介します。

「類語新辞典」「類語国語辞典」（1981年, 角川書店） - 後者は前者の増補版（1985年発行）。
「日本語大シソーラス　類語検索大辞典」「日本語シソーラス　類語検索辞典　第2版」（2003年, 大修館書店） - 後者は前者の改訂版（2016年発行）。
「類語大辞典」（2002年, 講談社）
「三省堂 類語新辞典」（2005年, 三省堂）
「必携 類語実用辞典」（1980年, 三省堂）
「使い方の分かる類語例解辞典」（1993年, 小学館）
「デジタル類語辞典」（ジャングル） - Windows用アプリケーション。書籍版はない。
「英語語句宝典」（ロジェ類語辞典、Thesaurus of English Words and Phrases, 1911）- ピーター・マーク・ロジェ

類語辞典は、言葉の表現力を豊かにする上で欠かせないツールです。文章作成の際には、積極的に活用してみましょう。

関連する項目としては、国語辞典やシソーラスが挙げられます。

また、インターネット上にも多くの類語辞典が存在します。

Weblio類語辞典
連想類語辞典
類語辞書｜goo辞書
類語検索シソーラス｜レクタス
言い換え類語ナビ
Collins類義語辞書
Cambridge類義語辞典
Roget's Thesaurus of English Words and Phrases (1911-ed.) - EPWING形式の電子辞書
Moby Thesaurus (EPWING) - EPWING形式の電子辞書、Project Gutenberg (EText-No. 3201-3206) Moby Thesaurus II by Grady Ward
Power Thesaurus 英語の同義語の辞書

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