風船バレー

風船バレー（Balloon Volleyball）

風船バレーは、主にふくらませたゴム風船をボールとして使用する球技で、通常のバレーボールに近い形式で行われます。このスポーツは、多人員が手や腕を使って風船を上に打ち上げ、地面に落ちないようにすることを主な目的としています。1986年に石川県七尾市の障害者支援施設である青山彩光苑にて、作業療法士たちによって考案され、競技としての形を整えられました。

歴史的背景と大会の発展

風船を使った遊びは、もともと自然発生的に行われていたものですが、1986年に青山彩光苑で正式に遊技としてのルールが確立されました。同年の11月1日には、日本初の『第1回風船バレーボール大会』が開催されました。1991年には、石川県で行われた第27回全国身体障害者スポーツ大会でも風船バレーが取り入れられ、全国的な認知度を高めていきました。近年では、老若男女に親しまれるスポーツとして、全国各地で多くの大会が開催されるようになりました。特に、バリアフリーな特性から、老人ホームやデイケアセンターのリハビリ・レクリエーション活動にも広く利用されています。

競技の形式

風船バレーは、バドミントンコートで行われ、主に6人制で行ないます。ボールとしては、直径30cmから50cmの鈴を内蔵したゴム風船を使用します。一般的なバレーボールとは異なり、風船が割れた場合のルールや、全選手がボールに触れなければならない「ノットオールルール」などの特別なルールが存在します。また、地方によってゴム風船のサイズや鈴の数、障害者の人数に規定が異なる場合があるため、地域ごとに独自のルールが存在しています。

レクリエーションとしての側面

このスポーツは、レクリエーション活動の一環として楽しむことができます。対抗戦ではバドミントンコートの仕切りを用いたり、人々が円陣を組んで打ち合うなど、大人数で楽しむ工夫がなされています。また、ルールに関しては、二度つき禁止などが設けられ、各施設やコミュニティのニーズに応じてアレンジされることが多く見受けられます。特に視覚障害者向けには風船内の鈴を用いるなど、全ての人が参加できるような努力がされています。

競技ルールの概要

風船バレーでは、6人制のチームが出場し、コートのサイズやネットはバドミントン用のものを使用します。各チームには障害者3名と健常者3名が必要であり、試合では全選手が必ず一度はボールに触れ、10回以内に相手コートにボールを返さなければなりません。使用する風船には鈴が2個入れられており、試合時間は15分で、先に15得点を取るチームが勝者となります。

このように、風船バレーは単純明快ながらも、幅広い層に楽しめるバリアフリーなスポーツとしての役割を果たしています。特に障害者や高齢者が参加しやすく、安全性に配慮した形で行われることが、このスポーツの魅力でもあります。

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