風街であひませう

『風街であひませう』

概要

『風街であひませう』は、作詞家・松本隆のキャリア45周年を記念してリリースされたトリビュート・カバーアルバムです。本作は2015年6月24日に発表され、総合音楽プロデューサーとしてLITTLE CREATURESの鈴木正人が参加しています。

このアルバムには基本的なリリース形態として『風街でうたう』が含まれており、さらに完全生産限定盤には特別ディスク『風街でよむ』という歌詞朗読集がセットになっています。『風街でうたう』では、松本が手がけた多岐にわたる楽曲を、安藤裕子や草野マサムネ、やくしまるえつこなど多彩なアーティストがカバー。特に注目すべきは、松本が在籍していたバンド「はっぴいえんど」の未発表曲「驟雨の街」を新たにレコーディングし収録した点です。

『風街でよむ』では、松本の歌詞が持つ独自の世界観が引き立てられ、斉藤由貴や薬師丸ひろ子をはじめ、多くの著名人が彼の歌詞を朗読しています。最後には、松本自身による「風をあつめて」の朗読が行われ、全体として詞の深みを感じる作品となっています。

リリース情報

本作は販売形態が2種類あり、完全生産限定盤（VIZL-842）と通常盤（VICL-64356）が展開されています。ジャケットデザインは、ほしよりこによる新たなイラストが使用されています。完全生産限定盤は特に豪華で、100ページ以上の読み物から成るハードカバー書籍仕様となっており、収録全歌詞に加え、松本と宮藤官九郎の特別対談や、最果タヒによる解説、オリジナルショートストーリーなどが含まれています。

さらに、朗読集の参加者のストリーミング音源にアクセスできるシリアルコードも同封されています。これを通じて、朗読者が松本の歌詞をどのように感じ、表現したかが語られており、聴き手は新たな理解を得ることができるでしょう。

チャート成績

『風街であひませう』は、オリコンデイリーCDアルバムランキングで初登場6位を記録し、さらに週間アルバムランキングでも10位にランクインしました。これは作詞・作曲家をテーマにしたトリビュートアルバムとしては、歴史的にも貴重な位置づけを持ちます。

過去のトリビュートアルバム

本作品は松本隆の他にも、服部良一や阿久悠に捧げたトリビュートアルバムの後継として位置づけられ、松本の作詞活動を将来にわたって称える重要な作品となりました。過去には、服部良一の記念アルバム（2007年）や、阿久悠のトリビュートアルバム（2008年）などが記録を残しています。

まとめ

『風街であひませう』は、松本隆の文芸的な側面を深く掘り下げ、彼の作品に新たな息吹を与えるトリビュート・カバーアルバムです。音楽を通じて彼の影響を感じることができ、アーティストたちによるカバーや朗読が豊かな体験を提供しています。

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