飛行管理装置

飛行管理装置（FMS）

飛行管理装置（FMS）とは、航空機の運航において飛行経路やパラメータを管理するための重要なアビオニクスシステムを指します。FMSは、主に旅客機や軍用機に搭載され、飛行の効率性や安全性を高める役割を果たしています。FMSは、飛行管理コンピュータ（FMC）、オートパイロット（Auto Flight System）、航法装置（INS:慣性航法装置やGPS）を統合したものであり、1980年代以降に製造されたほとんどの現代旅客機に装備されています。

構成要素と機能

FMSは、複数のコンポーネントで構成され、その中心となるのが飛行管理コンピュータ（FMC）です。FMCは、航空機の飛行計画や位置情報、速度、高度などのデータを処理し、自動操縦を行います。FMCに接続されたCDU（Control Display Unit）はコックピット内の座席横に配置され、パイロットが飛行計画の入力や修正を行うためのインターフェースとなっています。

CDUから入力される情報は、ナビゲーションディスプレイに表示され、飛行ルートを可視化します。また、FMSは、様々なセンサーからのデータをもとに、慣性航法装置やGPSを使用して自動操縦機能を提供します。これにより、操縦士の負担を軽減し、飛行の安定性を向上させることができます。

自動着陸機能

FMSの重要な機能のひとつに、自動着陸システムがあります。悪天候時や、着陸コースからそれてしまったときにも、計器着陸装置から送られる滑走路の誘導信号を受信し、自動的に着陸を行うことが可能です。これにより、航空機は安全性を保ちながら、運航の効率化が図れます。エンジンの出力調整もFMSにより自動化され、より正確かつ迅速な操縦が実現されています。

大型航空機のCDU

特にボーイング747-400のような大型旅客機では、CDUは非常に高機能です。CDUの両側には6つの画面選択キーが配置され、下部にはアルファベットや数字のキーパッドが整然と並んでいます。合計で57個のキーがあり、これによりパイロットは複雑な飛行データの入力や操作がスムーズに行えるようになっています。

故障時の対応

万が一FMCが故障した場合でも、CDUで入力された航路情報をもとにオートパイロットを活用することができます。また、CDUを用いて手動で計器着陸装置を受信し、着陸をサポートすることも可能です。このように、FMSは非常に高度な技術で構成されており、航空機の安全運航に欠かせないシステムとなっています。

関連項目

• - 航空機
• - グラスコックピット
• - 航空工学
• - 電子工学

FMSは、航空機の発展とともに技術が進化し続けており、今後も航空運航の重要な要素として位置づけられることでしょう。

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