食品衛生管理者

食品衛生管理者とは

食品衛生管理者とは、食品衛生法第48条に基づき、特定の食品や添加物を製造・加工する施設に配置が義務付けられている国家資格です。これらの施設では、製造や加工の段階で衛生上の配慮が不可欠であり、食品衛生管理者はその中心的な役割を担います。

対象となる食品と施設

食品衛生法施行令第13条に定められた食品や添加物を製造・加工する施設が対象となります。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

全粉乳（1,400グラム以下の缶入りに限る）
加糖粉乳
調整粉乳
食肉製品
魚肉ハム
魚肉ソーセージ
放射線照射食品
食用油脂（脱色または脱臭過程を経たもの）
マーガリン
ショートニング
規格が定められた添加物

これらの食品を扱う施設では、食品衛生管理者の配置が義務付けられています。

資格要件

食品衛生管理者になるには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

1. 医師、歯科医師、薬剤師、獣医師のいずれかの資格を持つ者
2. 大学等で医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学、農芸化学のいずれかの課程を修了した者
3. 都道府県知事の登録を受けた食品衛生管理者の養成施設で所定の課程を修了した者
4. 高等学校卒業以上の学力を持ち、食品または添加物の製造・加工の衛生管理業務に3年以上従事し、都道府県知事の登録を受けた講習会を修了した者
ただし、この方法で資格を得た場合、管理できる施設は、従事していた業種と同種のものに限られます。

食品衛生管理者養成施設と講習会

食品衛生管理者の養成施設は、栄養士や管理栄養士の養成校に併設されていることが多いです。また、講習会は、食品衛生に関する知識や技術を習得するためのもので、厚生労働大臣の登録を受けた機関が実施していましたが、現在は都道府県知事に移譲されています。

講習会の内容

講習会では、以下のような科目を学びます。講習会は有料で、不定期に業種を指定して実施されます。期間は約30日間です。

一般共通科目
公衆衛生概論
食品衛生法及び関係法令
食品、添加物等の基準規格
化学概説
細菌学序論
毒物学
食中毒学
食品学（栄養学を含む）
施設における衛生管理
乳製品関係科目
細菌学実習
乳製品検査法
乳製品検査実習
施設見学及び臨地訓練
食肉製品関係科目
細菌学実習
食肉製品検査法
食肉製品検査実習
施設見学及び臨地訓練
添加物関係科目
分析法概論
添加物鑑定法
添加物鑑定実習
施設見学及び臨地訓練

関連情報

食品衛生管理者に関する情報は、厚生労働省のウェブサイトや関連団体から入手できます。

厚生労働省
養成施設
食品衛生管理者・食品衛生監視員養成施設
社団法人日本食肉加工協会
有限責任中間法人食肉科学技術研究所
ハム・ソーセージ類公正取引協議会
日本食肉研究会

食品衛生管理者は、私たちの食の安全を守る上で非常に重要な役割を担っています。資格取得を検討されている方は、これらの情報を参考にしてください。

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