飯島亮

飯島 亮（いいじま りょう）

1908年（明治41年）4月20日に茨城県龍ケ崎市に生まれ、1990年（平成2年）に逝去した日本の著名な造園家、作庭家、そして造園研究者、教育者です。長年にわたり日本の造園界に多大な貢献をしました。

飯島氏は、1931年（昭和6年）に千葉高等園芸学校を卒業後、東京府および東京市の土木部や保健局、市民局、建設局といった部署で公園緑地に関わる業務に従事しました。この間、東京都建設局公園緑地課では、後に漫画家として知られる加藤芳郎氏と机を並べて勤務した時期もありました。

1948年（昭和23年）には、千葉農業専門学校の教授に転じ、教育者としての道を歩み始めます。その後、1950年（昭和25年）に千葉大学園芸学部助教授となり、造園植栽学研究室で教育・研究活動を展開しました。1964年（昭和39年）には新潟大学農学部の非常勤講師を兼務し、1967年（昭和42年）には千葉大学園芸学部の教授に昇任。また、1968年（昭和43年）からは東京農工大学農学部の非常勤講師も務めるなど、後進の育成に尽力しました。

研究者としては、特に「造園植物の分布に関する研究」に力を注ぎ、1967年（昭和42年）に北海道大学から農学博士の学位を取得しました。この研究成果は高く評価され、1969年（昭和44年）には日本造園学会賞論文調査部門を受賞しています。

1974年（昭和49年）に千葉大学を退官後、1975年（昭和50年）には造園コンサルタント会社である株式会社近代造園研究所を設立し、代表に就任しました。これにより、実践的な造園設計や計画の分野でも活動を続けました。また、日本植木協会、修景協会、庭園協会といった関連団体の顧問や評議員、そして日本造園学会名誉会員を務めるなど、造園界全体の発展にも寄与しました。

飯島氏の業績は多岐にわたります。教育者、研究者としての貢献に加え、作庭家、造園家として数多くのプロジェクトを手がけました。特に、学校のキャンパス緑化には多くの実績があり、小中学校から高等学校、大学、高等専門学校に至るまで、全国各地の教育施設の景観整備に携わりました。また、公園、病院、工場、図書館、企業施設、個人邸庭園など、幅広い施設の緑化計画や設計、さらには地域全体の景観計画や調査研究にも携わり、日本の都市や地域の緑化景観形成に貢献しました。代表的な作品としては、白河市城山ばら園や谷津遊園全体の設計などが挙げられます。

これらの長年の功績が認められ、1990年（平成2年）には正四位勲三等瑞宝章が贈られました。彼の研究成果や実務経験は、多くの著作にもまとめられており、『庭木と緑化樹』や『日曜庭作り』などの著書を通じて、専門家のみならず一般の人々にも造園の知識を広めました。飯島亮は、教育、研究、実務の三つの側面から日本の造園分野の発展に大きく貢献した人物として記憶されています。

主な著作

『庭木と緑化樹』（誠文堂新光社）
『日曜庭作り』（池田書店）
『日本の石・産地と利用』（大和屋出版、加藤榮一氏と共著）
その他、専門論文多数

主な作品・業績

数多くの小・中・高等学校、大学、高等専門学校のキャンパス緑化計画・設計
公園（白河市城山ばら園、谷津遊園など）の設計・計画
病院、工場、企業施設、公共施設（図書館、市民会館など）の庭園・緑化
個人邸庭園の設計
* 地域開発に伴う緑化計画、植生調査、樹木評価などのコンサルティング業務

（出典：『作庭と植栽 －飯島亮作品集－』等）

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