飯島善

飯島 善

飯島 善（いいじま ぜん）氏は、1930年（昭和5年）12月12日に生まれ、2023年（令和5年）6月4日に逝去した日本の政治家です。特に、茨城県つくばみらい市の初代市長を務めたことで知られています。

経歴

飯島氏は、茨城県の谷田部農学校（現在の茨城県立つくば工科高等学校）を卒業しました。学業修了後、筑波郡伊奈村の役場に奉職し、行政実務の経験を積みました。

その後、地方政治の道に進み、伊奈村議会議員として活動を開始しました。村議会では、地域住民の代表として、村政の課題解決や住民福祉の向上に努めました。1985年に伊奈村が町制を施行し伊奈町となった後も、引き続き町議会議員として活躍しました。

1990年には、伊奈町長選挙に立候補し、初当選を果たしました。伊奈町長としては、以来連続して4期にわたり首長の職を務めました。この長期政権を通じて、伊奈町の地域社会の発展や基盤整備、行政サービスの充実に力を注ぎました。町の特性を生かした施策を推進し、住民生活の質の向上を目指した取り組みを積極的に行いました。

2006年、地方自治体の再編が進む中で、伊奈町は隣接する谷和原村と合併し、新たな市であるつくばみらい市が誕生しました。この重要な節目において、飯島氏は初代つくばみらい市長選挙に立候補し、見事当選を果たしました。

初代市長として、飯島氏は合併によって生まれた新市の基盤づくりに奔走しました。旧町村間の融和を図りつつ、新たな行政組織の確立、都市インフラの整備、住民サービスの統一と拡充など、山積する課題への対応に尽力しました。合併特例債などを活用した将来を見据えた都市計画や、地域の個性を活かしたまちづくりに取り組み、つくばみらい市の礎を築きました。つくばみらい市長の任期は2010年までで、1期を務め上げました。

受章・叙位

長年にわたり地方自治の発展に貢献した功績が認められ、2011年には日本の勲章である旭日小綬章を受章しました。

晩年・死去

公職を退いた後も、地域の発展を見守り続けました。2023年6月4日、肺炎のため92歳で逝去しました。その功績に対し、政府は死没日付をもって正五位に叙することを決定しました。

飯島善氏は、伊奈町の町長として長期にわたり地域を率い、さらに合併後のつくばみらい市の初代市長として新市建設の重責を担うなど、生涯を通じて地方自治に深く関わり、その発展に大きな足跡を残しました。

もう一度検索