飯島早紀 (バスケットボール)

飯島早紀（いいじま さき）

日本の女子バスケットボール界で確固たる地位を築き、現在は韓国の舞台で活躍する飯島早紀（いいじま さき、1992年2月21日生）は、長野県出身のシューティングガードである。国内トップリーグであるWリーグで長らくプレーした後、韓国女子バスケットボールリーグ（WKBL）の釜山BNKサムへと活躍の場を移し、新たな歴史を刻んでいる。

バスケットボールキャリアの始まりと国内での成長

飯島選手は長野県で生まれ育ち、幼い頃からバスケットボールに親しんだ。高校は全国大会出場経験のある東海大学付属第三高等学校（現：東海大学付属諏訪高等学校）へ進学し、高校バスケ界で頭角を現す。卒業後は東海大学に進み、大学リーグでさらなる実力を磨いた。

大学卒業後の2014年、飯島選手は当時の山梨クィーンビーズに加入した。この時期、山梨クィーンビーズはWリーグから関東実業団リーグに降格しており、チームはWリーグへの復帰を目指していた。飯島選手はチームの再建に貢献し、中心選手として奮闘。その努力が実を結び、2016-17シーズンにはチームを再びWリーグへと導く立役者となった。

Wリーグでの実績とタイトル獲得

山梨クィーンビーズでの献身的なプレーが評価され、飯島選手は2018年に新潟アルビレックスBBラビッツへ移籍。この移籍を経て、彼女はリーグを代表するディフェンダーの一人としての評価を確立する。特に2018-19シーズンには、Wリーグのスティールリーダーに輝き、その優れた守備能力を証明した。相手の攻撃の芽を摘む粘り強いディフェンスは、多くのチームにとって脅威となった。

2019年3月には、日本人女子バスケットボール選手としては初めて、スポーツ用品メーカーのスポルディングとブランドアンバサダー契約を締結。これは、選手としてだけでなく、アスリートとしての彼女の存在感が認められたことを示している。同年5月には、トヨタ紡織サンシャインラビッツへ移籍。ここではシューティングガードとしての攻撃力がさらに開花し、2020-21シーズンにはWリーグ西地区の3ポイントシュート成功率リーダーズを受賞した。正確かつ決定力の高いアウトサイドシュートは、チームの得点パターンを多様化させた。

トヨタ紡織で数シーズンにわたり主要選手として活躍した後、2023年にチームを退団し、アイシン ウィングスに移籍。豊富な経験を活かし、若手が多いチームの中でリーダーシップを発揮した。

韓国WKBLへの挑戦と歴史的優勝

2024年、飯島選手はキャリアにおける大きな転機を迎える。国内を離れ、韓国女子バスケットボールリーグ（WKBL）の釜山BNKサムへ移籍することを発表したのだ。この移籍は、同年度からWKBLに導入されたアジアクォーター制度を利用したものであり、日本人選手がこの制度を活用してWKBLに挑戦する先駆けとなった。

韓国での新たな挑戦は、飯島選手にさらなる成長の機会をもたらした。釜山BNKサムに加入後、彼女はすぐにチームの主要メンバーとしてフィット。持ち前の正確なシュートと献身的なプレーでチームに貢献し、チームはレギュラーシーズンからプレーオフにかけて快進撃を続けた。そして、このシーズン、釜山BNKサムはクラブ創設以来初めてとなるWKBLリーグ優勝という歴史的な偉業を達成。飯島選手は、その優勝メンバーとして、韓国の地で確かな足跡を残した。

プレースタイルと今後の期待

飯島選手のプレースタイルは、シューティングガードとして高いレベルでの得点能力と守備能力を両立させている点に特徴がある。特に、3ポイントシュートの高い成功率は相手チームにとって警戒すべき武器であり、スティールリーダーのタイトルが示すように、粘り強いボールへの執着と読みで守備でも貢献する。状況判断力にも優れ、ここぞという場面での決定力も兼ね備えている。

日本と韓国、二つの国のトップリーグで積み重ねた経験は、彼女をさらに成熟させた。WKBLでの優勝という貴重な財産を胸に、飯島早紀選手が今後どのような活躍を見せてくれるのか、バスケットボールファンからの期待は高まっている。

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