飯島昇藏

飯島昇藏について

飯島昇藏（いいじま しょうぞう）は、日本の著名な政治学者で、1951年9月20日に千葉県で生まれました。2017年3月17日に亡くなるまで、彼は多岐にわたる学問分野で功績を残しました。彼の専門は、政治哲学と国際政治思想史であり、早稲田大学政治経済学術院で教授を務めました。特に、彼の研究はスピノザなどの哲学者の政治思想に焦点を当てており、その豊富な著作は日本の政治学界に大きな影響を与えました。

来歴

飯島は千葉県立木更津高等学校を卒業後、早稲田大学政治経済学部に進学しました。在学中は藤原保信教授に学び、その後、シカゴ大学の大学院で政治学を専攻し、博士号（Ph.D.）を取得しました。彼の学術的背景は、彼が後に展開する多彩な研究に寄与しました。大学では、早稲田大学政治経済学部学部長を2006年から2010年まで務め、その後、早稲田大学図書館館長にも任命されました。また、日本政治学会の理事としても活躍しました。

主な著作

単著

彼の著書には『スピノザの政治哲学――『エティカ』読解をとおして』（1997年）や『社会契約』（2001年）があります。これらの作品では、スピノザや社会契約論に関する彼の深い理解が示されています。

編著・共編著

また、飯島は編著や共編著にも力を入れました。特に注目すべきは『両大戦間期の政治思想』（1998年）や、『政治思想史の方法』（1990年）、そして『西洋政治思想史（1・2）』（1995年）など、政治思想の歴史的背景を探究した作品です。他にも、『政治と倫理のあいだ―21世紀の規範理論に向けて』（2001年）や『現代政治理論』（2009年）など、現代の政治理論に関する重要な議論を展開しています。

訳書

飯島はまた、多くの西洋の政治理論を日本語に翻訳しました。レオ・シュトラウスの『ホッブズの政治学』（1990年）や、D・バウチャーおよびP・ケリー編の『社会契約論の系譜―ホッブズからロールズまで』（1997年）など、貴重な文献を日本に紹介しました。これらの訳書は、日本の政治学が国際的な視点を取り入れるための重要な一助となっています。

影響と評価

飯島昇藏の研究は、スピノザや社会契約に関する深い洞察を通じて、日本の政治学界において不可欠な存在になりました。彼の著作や教育を通じて多くの学生や研究者が影響を受け、彼の業績は今なお多くの分野で参照されています。晩年にかけても、その思想や著作が新たな研究の基盤となっており、政治学と哲学の交差点における重要な思想的な資源として位置づけられています。

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