飯嶋和一

飯嶋和一のプロフィール

飯嶋和一（いいじま かずいち）は、1952年12月20日に山形県山形市で生まれた日本の小説家です。主に歴史小説の分野で活躍しており、独特な視点から物語を構築することで知られています。彼は山形県立山形東高等学校を卒業後、1977年には法政大学文学部日本文学科を修了しました。大学卒業後は中学校教員や予備校講師として働いた後、執筆活動に専念することになります。

作家としての歩み

2008年までに発表した長編作品のすべては、文芸誌の連載ではなく書き下ろしであり、オリジナルな作品の提供に努めています。2009年8月からは小学館の「STORY BOX」にて初めての連載となる『狗賓童子の島』を執筆し、2012年5月にはその連載が終了し、直後には『灯守り』の連載を開始しました。また、同年2009年には新潮社が発行する月刊小説誌「小説新潮」において『星夜航行』が連載されました。

飯嶋は、物語の視点に関する独自の哲学を持っており、「史料を読み込むと書き手の視点に引っ張られるため、視点を変えることが大事」という考えを持っています。このため、彼の作品は権力者ではなく民衆や在野の主人公に焦点を当てたものが多く、自らの見地から描くことでリアリティを持たせています。

受賞歴と評価

飯嶋和一は、その優れた作品に対し多くの賞を受賞しており、以下のような経歴があります。

• - 1982年には『堕ちた海鳥の伝説』が第38回小説現代新人賞候補に選ばれました。
• - 1983年、彼の『プロミスト・ランド』は第40回小説現代新人賞を受賞。
• - 1988年には『汝ふたたび故郷へ帰れず』で第25回文藝賞を受賞しました。
• - 2000年『始祖鳥記』は第6回中山義秀文学賞を受賞し、「このミステリーがすごい!2001年版」では第5位にランクイン。

飯嶋氏の作品は評価され続け、2008年には『出星前夜』が第35回大佛次郎賞を受賞。この作品はまた、同年本屋大賞でも第7位に入賞しました。
2015年には『狗賓童子の島』で第19回司馬遼太郎賞を受賞し、さらに週刊朝日の「2015年 歴史・時代小説ベスト10」で第1位にも輝きました。そして、2018年には『星夜航行』が第12回舟橋聖一文学賞を受賞し、同作品もことで週刊朝日「2018年 歴史・時代小説ベスト10」で1位に選ばれるなど、彼の業績は高く評価されています。

代表作

飯嶋和一の著作には次のような作品があります：

• - 『汝ふたたび故郷へ帰れず』（1989年）
• - 『雷電本紀』（1994年）
• - 『神無き月十番目の夜』（1997年）
• - 『始祖鳥記』（2000年）
• - 『黄金旅風』（2004年）
• - 『出星前夜』（2008年）
• - 『狗賓童子の島』（2015年）
• - 『星夜航行 上・下巻』（2018年）

飯嶋の作品は、歴史的背景とともに人間ドラマを深く掘り下げ、読み手に感動を与えるものばかりです。多くの読者にとって、彼の作品は歴史を知る手助けともなっています。

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