STORY BOX

「STORY BOX」は、小学館が2009年8月より発行している月刊の小説雑誌です。他の小説雑誌とは少し異なった経歴を持っています。まず、国立国会図書館では雑誌として分類されているものの、ISSNではなくISBNが付与されている点が特筆されます。これは、雑誌というよりは書籍に近い形態で発行されていることを示唆しています。

創刊から2013年4月までは文庫判サイズで発行されており、多くの書店では小学館文庫と同じ棚に置かれていました。そのため、小説雑誌というよりは、文庫本の一種として認識されていた可能性もあります。しかし、2013年5月号からはA5サイズに変更されました。このサイズ変更は、雑誌としての体裁を整えるとともに、より多くの読者に親しみやすいデザインを目指したと考えられます。

同時期に発行されていた他の出版社の小説雑誌、『IN★POCKET』や『文蔵』などは、インタビュー記事やPR記事なども掲載されており、商業誌としての色彩が強かったといえます。一方、「STORY BOX」は連載小説が中心です。作家へのインタビューや作品紹介といった付随的なコンテンツは比較的少なく、純粋に小説作品を楽しむことに重点が置かれています。

連載作家には、森見登美彦氏や和田竜氏など、人気を博する作家が名を連ねています。これらの作家陣の参加は、「STORY BOX」の文学的な価値を高めるだけでなく、多くの読者層を獲得することに貢献していると言えるでしょう。彼らが手がける作品は、雑誌の主要なコンテンツであり、質の高い小説を読む場を提供しています。

「STORY BOX」は、文庫判時代には書店での扱いも文庫本と同様で、小説雑誌というよりは書籍に近い存在として認識されていた可能性があります。しかし、A5判への変更、そして人気作家による連載小説中心の構成によって、より明確に小説雑誌としてのアイデンティティを確立したと言えるでしょう。雑誌というより書籍に近い存在感を持ちながらも、純粋な文学作品へのこだわりを貫く姿勢は、「STORY BOX」ならではの特徴と言えるのではないでしょうか。 ISSNではなくISBNが付与されている点も、その特殊性を際立たせています。

小学館の公式ウェブサイトや、公式X（旧Twitter）アカウント(@STORY_BOX)からも、雑誌に関する情報が得られるでしょう。これらの情報源を通じて、最新の連載情報や、過去の作品に関する情報なども確認できます。

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