飯村和也

飯村和也：剣道からミュージカルへ、夢を追い続ける俳優

飯村和也氏は、日本のミュージカル界を代表する俳優の一人として知られています。劇団四季所属の彼は、茨城県出身。学生時代は剣道と居合道に打ち込み、武道に青春を捧げていました。しかし、姉の影響で観劇した『クレイジー・フォー・ユー』をきっかけに、ミュージカルの世界に魅せられます。

大学在学中にバレエを始めるなど、ミュージカル俳優への道を模索し始めた飯村氏。大学卒業後は広告代理店に就職しますが、2年間のサラリーマン生活を経て、かねてからの夢を諦めきれず、劇団四季のオーディションに挑戦。見事合格を果たし、2002年9月、劇団四季研究所に入所します。

2003年6月、東京公演『ミュージカル李香蘭』の検察官役で鮮烈なデビューを飾りました。その後、『桃次郎の冒険』では主演を務めるなど、着実に経験を積んでいきます。2007年には『夢から醒めた夢』でメソ役を演じ、実力派俳優としての地位を確立しました。

そして、飯村氏にとって転機となるのが2008年2月。念願の『ライオンキング』シンバ役への抜擢です。4年間におよぶレッスンを経て掴んだこの役は、彼のキャリアの中でも特に重要なものとなりました。シンバ役への挑戦は、長年の努力と情熱の結実と言えるでしょう。

その後も数々の舞台で活躍した飯村氏ですが、2010年末から2012年10月にかけては、膝の手術とリハビリのため舞台を離れることになります。しかし、彼はこの困難を乗り越え、2012年10月、『ドリーミング』の犬のチロー役で舞台に復帰。持ち前の明るさと演技力で観客を魅了しました。

復帰後も、『ウィキッド』のフィエロ役や『むかしむかしゾウがきた』のひろめ屋役など、幅広い役柄に挑戦し続けています。特に、『ウィキッド』では東京凱旋公演と札幌公演でフィエロ役を務め、その高い演技力が評価されました。

2017年には、『ライオンキング』札幌公演に続き、さっぽろ雪まつりにも参加。元シンバ役として、力強い歌声を披露しました。そして同年4月、ついに『ライオンキング』のスカー役にも挑戦。シンバ役とスカー役の両方を演じきった唯一の俳優として、劇団四季の歴史に名を刻みました。テレビなどメディアへの出演も多く、その活躍はミュージカルファンの間で広く知られています。

これまでに、ミュージカル李香蘭、桃次郎の冒険、夢から醒めた夢、ライオンキング、コーラスライン、マンマ・ミーア!、ドリーミング、はだかの王様、ウィキッド、むかしむかしゾウがきた、恋におちたシェイクスピア、ひばり、ゴースト＆レディなど、数多くの作品に出演。その演技力は高く評価されており、これからも多くの観客を魅了し続けることでしょう。彼の今後の活躍に期待が高まります。

彼の経歴は、単なる成功物語ではなく、努力と情熱、そして夢を諦めない大切さを教えてくれるものです。剣道からミュージカルへと転身し、数々の困難を乗り越えてきた彼の生き方は、多くの人の心に響くでしょう。

もう一度検索