飯田宏作

飯田宏作（はんだ こうさく）

概要

飯田宏作は、1856年（安政3年）に仙台で生まれ、1912年（大正元年）に56歳で亡くなった日本の法曹界を代表する人物です。裁判官、法学者、教育者、弁護士として多岐にわたる分野で活躍し、特に東京弁護士会会長や和仏法律学校（現在の法政大学）校長心得を務めたことで知られています。

生い立ちと教育

飯田宏作は、仙台藩士の飯田元作を実父として生まれました。幼少期からその才能を見込まれ、藩校である養賢堂で学びました。明治維新後、江戸昌平黌の元教授であった遠藤温の書生となり、漢学だけでなく、法律や経済についても深く学びました。1876年（明治9年）には、司法省法学校の予科に入学し、フランス法を修める道に進みました。さらに本科に進学すると、司法省の法律顧問であったジョルジュ・アッペールの指導のもとで法律学を深く追求し、1884年（明治17年）に法学士の学位を取得しました。

裁判官としてのキャリア

法学士の学位を取得した飯田宏作は、同年、大阪始審裁判所の判事として任官しました。その後、1890年（明治23年）には東京控訴院の判事に昇進し、裁判官としてのキャリアを積みました。在任中には、代言人試験委員や判事登用試験委員も務め、日本の法曹界の発展に貢献しました。

弁護士としての活動と教育者としての貢献

1893年（明治26年）1月に判事を依願退職し、弁護士として独立しました。その後、東京弁護士会の会長に就任し、弁護士界を牽引しました。また、1897年（明治30年）12月には、和仏法律学校（現在の法政大学）の校長心得に就任し、後進の育成にも尽力しました。

主な著書

飯田宏作は、法学に関する多くの著作を遺しました。主な著書としては、以下のものが挙げられます。

『刑法.総論(和仏法律学校第2期講義録)』（東京法学院、1892）
『刑法各論(和仏法律学校第2期講義録)』(和仏法律学校、1894)
『刑法各論講義(和仏法律学校第1期講義録)』（和仏法律学校、1895）
『日本刑法講義』（東京法学院、1890）
* 『仏和会話指南』（寛裕舎、1887）

これらの著書は、当時の日本の法学研究に大きな影響を与えただけでなく、後世の法学者にとっても重要な資料となっています。

死去

飯田宏作は、1912年（大正元年）に56歳で生涯を閉じました。彼の業績は、日本の法曹界に大きな足跡を残し、今もなお多くの人々に尊敬されています。

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