飯田覚三

飯田覚三：昭和期の俳優、その多彩なキャリア

飯田覚三（いいだ かくぞう、1907年3月22日 - 没年不詳）は、昭和期の日本の俳優です。島根県出身で、平壌中学校を中退後、1925年に新劇連盟から俳優としてのキャリアをスタートさせました。

彼の活動は多岐に渡り、松竹家庭劇や吉本楽劇隊、新演技座といった劇団を経て、東映に入社し映画俳優として活躍します。その後、東映を離れ、東芸プロダクションに所属する時期やフリーランスとして活動した時期を経て、シナリオ文芸協会にも所属していました。

映画からテレビドラマまで：幅広い出演作

飯田覚三は、映画やテレビドラマなど、数多くの作品に出演しています。映画では、大映製作の『皆殺しのスキャット』（1970年）などに出演しました。

一方、テレビドラマでは、その活躍はさらに目覚ましいものがあります。特に特撮ドラマ『ウルトラマン』（1966年）では、第2話「侵略者を撃て」に防衛隊幕僚として出演。国民的人気テレビドラマ『水戸黄門』シリーズには複数回出演しており、その役柄は旅籠の主人や村役人など多様でした。シリーズ第1部では「小田原喧嘩駕籠」と「上州からっ風」の2エピソードに、第9部では「裁かれたジャジャ馬姫」と「名工二代輪島塗り」に出演。さらに、第10部では「婿入り八丁味噌」にも出演しています。

その他にも、時代劇ドラマで高い人気を誇った『遠山の金さん』シリーズ（1970年、NETと1976年、NET/東映）にも出演しています。また、人気シリーズ『必殺シリーズ』（ABC/松竹）にも複数作品に出演しており、『必殺必中仕事屋稼業』、『必殺仕業人』、『新・必殺仕置人』、『江戸プロフェッショナル 必殺商売人』など、様々な作品で個性的な役柄を演じています。さらに、『大岡越前』シリーズにも出演しており、将軍様の人情裁きをテーマにしたエピソードで牧野弥左衛門役を演じたと伝えられています。

俳優としての足跡：時代を超えて

飯田覚三の活動期間は、日本の演劇・映像史において重要な時代と重なります。新劇から映画、そしてテレビドラマへと活躍の場を広げ、多くの作品で重要な脇役を演じきった彼の存在は、数々の作品に深みとリアリティを与えました。残念ながら、彼の没年については不明な点が残されていますが、彼の残した作品群は、昭和期の日本のエンターテイメント史における貴重な記録であり、後世へと続く俳優たちの歴史に貢献しています。彼の演技を直接目にすることは叶いませんが、作品を通して彼の存在を感じ、昭和期の俳優たちの活躍を偲ぶことができます。

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