飯野利夫

飯野 利夫 (いいの としお)の経歴と業績

飯野利夫は1919年11月12日に生まれ、2007年8月8日に亡くなるまで、日本の会計学界に多大な影響を与えた。専門は財務会計であり、一橋大学名誉教授、中央大学名誉教授、駿河台大学名誉教授として教育に貢献した。また、駿河台大学の第2代学長も務めた。彼は1995年に勲三等瑞宝章を受章し、その業績が評価された。

学歴と経歴

飯野は高岡高等商業学校（今の富山大学経済学部）を卒業し、その後東京商科大学（現一橋大学）で学び、太田哲三教授の指導を受けた。大学卒業後、一橋大学の教授として教育に従事し、多くの学生を指導したが、大学の紛争を経て退職を余儀なくされ、その後は中央大学や駿河台大学で教鞭を執った。彼の下からは内山力（元中央大学教授）や吉野賢治（元太田昭和監査法人副理事長、学校法人中央学院理事長）などが育った。

教育理念と越える壁

退職後も、彼は駿河台大学の学長として少人数教育の推進や専門職業人の養成に力を入れた。学問だけでなく実務に即した教育を重視した彼の教育スタイルは、学生たちに大きな影響を与え、後に業界で活躍する人材が数多く輩出された。

研究と著作

飯野は多くの著作を残し、会計学の発展に寄与した。彼の著書『財務会計論』や『明解簿記』は、簿記や公認会計士試験の必携書として多くの受験生に親しまれ、ロングセラーとなった。また、彼が翻訳した『基礎的会計理論』や編著した『現代会計学入門』なども評価を受けている。特に『財務会計論』は、多くの教育機関で使用される基本書となり、彼の名を広める要因となった。

遺産と影響

飯野利夫の業績は、日本の会計学界と教育界において深く根付いており、その教えや著作は現在も多くの学生や専門家に引き継がれている。彼の死去は業界にとって大きな損失ではあったが、彼の教育理念や研究成果は未来の会計学者たちにも引き継がれ続けることであろう。

飯野は2007年に前立腺癌で亡くなったが、その余生の中で築いた功績や教育理念は、今後も多くの人々に影響を与え続けると確信されている。

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