飯野矢住代

飯野 矢住代（いいの やすよ）の生涯

飯野矢住代は、1950年3月9日に東京都文京区駒込で生まれた日本のモデル、タレント、女優です。本名は飯野裕代であり、1968年のミス・ユニバース日本代表としてその名を馳せました。しかし、彼女の人生は短く、1971年に21歳でこの世を去ることとなります。矢住代は、ジャニーズ事務所に所属した最初の女性タレントであり、その後のタレントたちに影響を与えました。彼女は、ジャニーズ事務所の中で最初に亡くなった人物でもあります。

経歴と初期の活動

矢住代の幼少期は複雑なものでした。1960年に渋谷区円山町に移り住んでから、1965年に渋谷区内の中学校を卒業します。家計の事情から高校には進学せず、「何でも挑戦してみよう」という考えで、ファッションモデルや作詞に取り組みました。1966年には、ザ・スパイダースのシングル「サマー・ガール」のB面「なればいい」を作詞し、彼女の才能を発揮しました。

ミス・ユニバース・ジャパン

1968年、矢住代はミス・ユニバース・ジャパンに出場しました。全国7か所の民放局が共同で主催したこの大会では、彼女は関東地区の候補者として推薦され、見事に優勝を果たしました。彼女は2800人の応募者を抑えて日本代表に選ばれるが、挨拶の際に「私は二号さんの娘です」と発言し、関係者を驚かせました。実は母親が囲われ者だったため、主催者側は失望し、辞退を勧告したほどの波紋を呼びました。

同年7月、矢住代はフロリダ州のマイアミビーチで行われるミス・ユニバース大会に出場。入賞は逃すものの、特別賞『ミス・アミティ』を獲得しました。その後、彼女は銀座の高級クラブ『姫』でホステスとして働くことを宣言し、物議を醸しました。

波乱の人生

矢住代の私生活は波乱に満ちたものでした。1969年に当時交際していたドラマーとの間に男児を授かりますが、出産後まもなくその子は亡くなります。妊娠中にジャニーズ事務所と対立し、契約を解除されることとなり、職を転々としながら苦しい状況に追い込まれました。

1971年、幼馴染で交際していた俳優の池田秀一のマンションで彼女は亡くなりました。報道によると、一酸化炭素中毒が原因であったとされています。若くして才能を持ちながらも、彼女の人生は多くの試練に満ちていました。

ミス・ユニバース・ジャパン1968のスキャンダル

矢住代の出場を巡るスキャンダルは多くの注目を集めました。彼女の家庭環境や学歴が問題視され、その後も様々な調査が行われました。最終的には、ジャニーズ事務所および全国のメディアの意向により、彼女は代表の座を維持することとなりましたが、その背景には多くの駆け引きがあったのです。

矢住代の人生は、多くの人々に影響を与えた一方で、彼女の抱える苦悩や社会的圧力も光を当てるべき重要なポイントであったといえるでしょう。彼女の短いけれども波乱に満ちた人生は、今もなお多くの人々の記憶に残っています。

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