餅屋の論理

餅屋の論理

『餅屋の論理』は、1992年にTBSテレビで放送されたユニークなトーク番組である。この番組は、日常的に目にする商品にスポットを当て、その開発に関する裏話や逸話を通じて、視聴者に新たな視点を提供することを目的としていた。放送期間は4月6日から9月28日まで、毎週月曜日の深夜0:40から1:10の時間帯で放送されていたが、特別番組の影響で放送時間が変更されることも頻繁にあった。

番組の形式

番組は、特定の商品をゲストとして招き、その商品がどのように開発されたのかを振り返るトーク形式で進行されていた。司会は谷啓が務め、アシスタントの大河内志保が番組を盛り上げ、ナレーションには槇大輔が起用されていた。番組の最後には「今週の餅屋の論理」というコーナーが設けられ、開発のきっかけや触発されたエピソードを象徴する一言が紹介されることで、視聴者にさらなる興味を引き起こしていた。

取り上げられた商品

番組では数多くの商品が取り上げられ、その中には、日常的に目にする商品も多く含まれていた。例えば、バスクリン、カップヌードル、ヤクルト、リカちゃん人形など、それぞれの商品のストーリーや開発にまつわるエピソードが紹介された。特に印象に残るのは、商品のキャッチフレーズや関連する言葉が紹介されることで、視聴者がその商品を新たな視点で捉える手助けをしていた点である。例えば、カップヌードルに関しては「逆転の発想」がも提唱され、視聴者に新しいアイデアの重要性を考えさせる場面もあった。

スタッフ

『餅屋の論理』の制作に関わったスタッフは、番組の成功に大きく寄与した。構成は猪鼻浩行と後藤直が担当し、取材には互井誠が携わっていた。技術面では池田屋が担当し、数名のCAM、VEが番組の映像を支えていた。美術やスタイリングにも工夫が凝らされ、多くの視聴者に高評価を得る要因の一つとなっていた。

エンディングテーマ

番組のエンディングテーマには、谷啓が歌う『愛してタムレ』が使用されていた。この楽曲は1963年に発売されたもののセルフカバーで、視聴者にとって親しみやすい楽曲として番組を締めくくる役割を果たしていた。作詞はヒライワ・タカシ、作曲は萩原哲晶で、編曲は久米大作と仙波清彦が手掛けている。

関連書籍

また、放送に関連して『餅屋の論理―餅は餅屋が明かす発想の極意!』という書籍も出版されており、商品の裏話や開発秘話がさらに詳しく紹介されている。1992年にワニブックスから発行され、発想の極意について書かれた内容は、テレビ番組のファンにとって興味を引く資料となっている。

このように『餅屋の論理』は、単なる商品紹介番組ではなく、視聴者に対して商品の背景や開発に関する理解を深めることを目的とした、意義深い放送であった。

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