養心流

養心流（ようしんりゅう）

養心流は、岡山県南部に現存する古武道の流派で、その技術体系には柔術、棒術、半棒術、捻（十手）、縄、居合、活法などが含まれています。この流派は、演武会などにおいては主に棒術の演武が行われており、観る人々に古武道の魅力を伝えています。

歴史

養心流の流祖は、周防国から来た秋山伯耆守とされています。彼は天正頃に長州周防で活動していた武将であり、高松城を攻める際に戦いに敗れ、備中国高尾村に隠れ住んだと伝えられています。秋山伯耆守はこの地で武術の修行を重ね、独自の流派を作り上げました。その後、流派の伝承は代々秋山家に受け継がれましたが、途中で他の流派と交わることがあったとも言われています。

流派の系譜は興味深く、流祖から七代目までの記録は不明ですが、第八代には秋山磯吉正光が、続いて第九代には秋山三郎正光、さらに第十代には秋山四郎正光が名を連ねています。第十二代には秋山家の三男である永瀬恵吉正光が在籍し、彼は稲垣帯刀の系統に入門し、養心流の本来の教えを受け継ぎました。

稲垣帯刀を起源とする系統もあり、秋山系の流派と交わることで養心流が更新される過程も見られます。特に、安井信造の流派を経て、永瀬恵吉正光が流名を養心流に戻す決断をしました。これにより、流派は再び一つにまとめられ、今日の形が整えられたのです。

養心流は伝承の過程で、武道だけでなく、精神的な成長も重視されています。武士道に根付いた生き方や心の鍛錬が強調され、武術の技術のみならず心の在り方も磨かれてきました。この流派の練習に励む人々は、体力や技術向上だけでなく、自己成長や人間関係の改善にも寄与します。

系譜

秋山を祖とする系統

• - 流祖：秋山伯耆守
• - 七代目まで不詳
• - 第八代：秋山磯吉正光
• - 第九代：秋山三郎正光
• - 第十代：秋山四郎正光
• - 第十一代：秋山栄吉正光
• - 第十二代：永瀬恵吉正光（秋山家三男）

稲垣を祖とする系統

• - 稲垣帯刀
• - 稲垣靭負
• - 片山本蔵
• - 見結道誉
• - 竹内東水
• - 生駒左門
• - 遠藤右前
• - 廣田弥藤冶（広田義弥）
• - 片山九右衛門
• - 森安弥吉
• - 富岡初五郎
• - 安井信造
• - 永瀬恵吉正光（秋山家三男）
• - 永瀬亀蔵正光
• - 藤江栄一清光
• - 佐藤貴春清光
• - 星島伸二正光
• - 星島大伍郎正光
• - 三宅力蔵重勝
• - 槇野多助直勝
• - 槇野定一郎正勝
• - 槇野新三郎忠勝
• - 石井久賀吉
• - 植野豊吉
• - 幡恒次郎

養心流は、今後もその伝統と技術を引き継いでいくことが期待される流派です。古武道の継承を通じて、心身の鍛錬に励み続けることで、多くの人々に影響を与え続けています。

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