養神館合気道

養神館合気道の概要

養神館合気道（ようしんかんあいきどう）は、合気道創始者植芝盛平の高弟、塩田剛三によって1955年に設立された流派です。この会派は公益財団法人合気道養神会が主宰し、現在の代表は木村孝九段です。養神館合気道は、合気道の特徴を引き継ぎつつ、独自の稽古法や理念を発展させてきました。

塩田剛三の道のり

創始者である塩田剛三は幼少期から剣道や柔道を学び、学生時代には早くも柔道三段の腕前を誇っていました。18歳の時に植芝道場を訪れ、実際に植芝に挑戦し完敗。それがきっかけで合気道の魅力に惹かれ、即入門しました。彼は約8年間、内弟子として修行し、技術を磨いた後、大学卒業後は軍属として各地に赴き、合気道の普及に努めました。

1946年に帰国後、再び植芝と共に修行し、1954年には日本総合古武道大会で最優秀賞を獲得します。この受賞を契機に、合気道に対する関心が高まり、1955年に養神館を設立。以来、養神館合気道として広まっていきました。

さらなる発展と挑戦

1990年には全日本養神館合気道連盟と国際養神会合気道連盟が設立され、国内外での普及活動を強化。現在では、武道が護身術として注目されるようになり、特に女性の稽古生が増えています。カルチャースクールなどでもその技術を習得することができ、その門戸は広がっています。

俳優の杉良太郎や衆議院議員の亀井静香も養神館の道を学び、その功績が広く知られています。特に亀井は東京大学合気道部の主将を務め、全日本学生合気道連盟の設立にも寄与しました。

技法と練習

養神館合気道は体術と武器術（剣や杖）を統合した総合的な武道です。合気道特有の動きにより相手の攻撃を崩し、投げや打撃で制圧する攻防一体の技法が特徴です。稽古は型稽古を中心に行われ、段級位制を導入しています。

試合は行わず、毎年秋に全日本演武大会が開催されています。2021年には稽古者が世界中に広がり、日本国内では合気会に次ぐ人数となりました。警視庁では女性警察官の選択科目や特別研修に採用され、特に実戦性が高い流派として評価されています。

養神館の基本姿勢と動作

養神館では、独自の「構え」を重視しており、正確な体の使い方を身につけるために多くの練習が行われています。この「構え」は、相手との関係性や状況に応じて柔軟に対応できることが求められます。

基本動作は、塩田と彼の弟子らによって6つの動きにまとめられ、合気道の動作の基盤となっています。初心者はこの基本動作から学び、高段者でも常に基本に立ち返ることが奨励されています。

最後に

養神館合気道は、技術の普及だけでなく、精神性の向上も重要視しており、稽古を通じて武道の真髄を追求しています。こうした理念のもと、養神館合気道は国内外で強固な基盤を築いています。

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