段級位制

段級位制：技量を示す等級制度

段級位制とは、武道、スポーツ、ゲーム、芸術など、様々な分野で個人の技量や能力のレベルを表すための等級制度です。級位は下位、段位は上位に位置し、級位は数字が大きいほど低く、段位は数字が小さいほど低いレベルを示します。級位は10級から1級まで昇級し、段位は初段から十段（分野によっては最高段位が異なる）まで昇段していきます。英語では、そのままshodanと表記したり、first degree black beltのように意訳されたりします。

段位・級位の概念

段位と級位は、現在の技能や過去の成績を反映した段階を示します。多くの場合、初級者は級位から始め、段位を目指します。段位は、初段から始まり、十段を最高位とするのが一般的ですが、例外もあります。剣道のように八段が最高位である場合もあります（九段・十段は2000年に廃止）。級位の上限は1級で、下限は分野によって異なります。

段級位は、常に能力を反映しているとは限りません。例えば、将棋の奨励会員のように、勝率などで昇級・降級する制度もありますが、多くの段級位制では、タイトル獲得、大会優勝、試験合格、経験年数、勝数、または審査員の裁量で昇級し、能力が衰えても降級しないのが一般的です。そのため、必ずしも現在の実力を示すものではなく、過去の成果やその分野における序列を示す指標と考えるべきでしょう。

段級位制の歴史

段級位制は、江戸時代の囲碁の名人、本因坊道策によって導入されたのが始まりです。その後、将棋に採用され、明治時代以降、武道や芸術などに広まりました。現在のプロ囲碁・将棋界では、最高段位は九段で、「十段」はタイトル名です。プロ将棋界では、1980年代後半に十段戦が廃止され、「十段」の称号もなくなりましたが、「永世十段」の称号は残っています。囲碁・将棋の世界では、棋士の呼称に段位をつけることが慣例となっています。

各分野における段級位制

マインドスポーツ

囲碁: 本因坊道策が始めたとされ、プロとアマチュアで基準が異なります。プロは初段から九段、アマチュアは30級から八段まであります。プロの初段に9子置いて勝てればアマチュア初段とされるのが一般的です。
将棋: 棋士、奨励会員、女流棋士、アマチュアで制度が異なります。棋士は四段から九段、奨励会員は七級から三段、女流棋士は女流3級から女流六段、アマチュアは10級から八段まであります。
* チェス: 国際的にはイロレーティングが強さの指標ですが、かつて日本チェス協会独自の段位制度が存在していました。

武道

明治時代に嘉納治五郎が柔道に段位制を導入、帯の色で段位を表すようになりました。警視庁は剣術に級位制を導入、その後、大日本武徳会が剣道・弓道にも段位制を導入し、多くの武道に広がりました。武徳会は、段級位とは別に「精錬証」、「錬士」、「教士」、「範士」といった称号制度も設けていました。現在では多くの武道が段級位制を採用しています。古[[武道]]では、独自の段階的な修行体系があり、段位制とは異なる場合があります。

その他

コンピュータゲーム、音楽ゲームなどでも、段級位制が用いられる場合があります。また、名誉段位として、著名人に贈られる制度もあります。これは、武道の実力とは関係なく、社会的貢献への表彰として贈られるものです。

段級位制を採用している競技・技芸

段級位制は、マインドスポーツ、武道、スポーツ、芸術、資格など、幅広い分野で採用されています。上記以外にも、多くの競技や技芸で段級位制が用いられています。

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