香山郡

香山郡（ヒャンサンぐん）

香山郡は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の慈江道南西部に位置する郡です。特に名勝地として知られる妙香山の麓にあり、その美しい自然景観が魅力となっています。

地理

郡の東部には妙香山の山地が広がっており、その主峰である毘盧峰（標高1909m）は、郡のシンボル的な存在です。郡の東部を清川江が流れ、その流域に香山邑（コヒャンウプ）が位置しています。香山邑は郡の行政中心地であり、人民委員会（役場）が置かれています。隣接する地域としては、西に雲山郡、南に球場郡、東北に慈江道があります。

行政区画

香山郡は、1邑と20里から構成されています。

邑：香山邑（コヒャンウプ）
里：20里

歴史

現在の香山郡は、1952年に寧辺郡の北薪峴面と泰平面を分離して編成されたものです。

妙香山一帯は、高麗時代から仏教の中心地として栄え、普賢寺をはじめとする多くの寺院が建立されました。妙香山の峰や渓流の名前には、仏教の影響が色濃く残っています。また、朝鮮王朝時代には、朝鮮王朝実録を保管するための史庫の一つが置かれていました。

北朝鮮の体制下では、金日成主席の専用別荘や国際親善展覧館が建設され、観光地としての整備が進められました。1995年には、平壌との間を結ぶ高速道路「平壌-香山観光道路」が開通し、アクセスが向上しました。

年表

1952年12月：郡面里統廃合により、平安北道寧辺郡泰平面・北薪峴面および南松面の一部地域をもって香山郡を設置。当時の行政区画は1邑26里でした。
1954年：里の統廃合が行われ、1邑20里となりました。
1984年：香山邑・香巌里・北新峴里・林興里を妙香山区として分離しました。
1985年：前年に設置された妙香山区を廃止・返還。一部の里が雲山郡や球場郡に移管されました。
1989年：雲山郡に移管されていた一部の里が返還されました。
1996年：雲山郡および球場郡から、複数の里が返還され、現在の1邑20里の形となりました。

観光

香山郡は、妙香山の自然と歴史的な建造物を楽しむことができる観光地です。

妙香山： 四季折々の美しい自然景観が楽しめます。
香山ホテル： 妙香山を訪れる観光客のための宿泊施設です。
国際親善展覧館： 世界各国から贈られた贈り物などを展示しています。
普賢寺： 高麗時代に創建された古刹で、多くの文化財を所蔵しています。

交通

香山郡へのアクセスは、道路と鉄道が利用できます。

道路： 平壌-香山観光道路が郡内を通っています。
鉄道： 満浦線が郡内を通り、北薪峴駅と妙香山駅があります。かつては雲山線も存在しましたが、現在は廃止されています。

航空

名称不明の飛行場が存在します。

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