香港発活劇エクスプレス 大福星

『香港発活劇エクスプレス 大福星』

『香港発活劇エクスプレス 大福星』は、1985年に公開された香港映画で、原題は「福星高照」、英語タイトルは「My Lucky Stars」です。この作品は、サモ・ハン・キンポーが監督と主演を務め、福星シリーズの第2弾にあたります。前作『五福星』に続く物語であり、今回は主なキャストメンバーの一人がジョン・シャムからエリック・ツァンに変更されています。特筆すべきは、当時の香港映画としては希少な日本でのロケーション撮影が行われた点です。具体的には、「富士急ハイランド」の観覧車やお化け屋敷、「都営新宿線」が登場しており、日本の観光名所が映画の中で描かれています。

日本での劇場公開版としては、ジャッキー・チェンが主演となるように編集され、サウンドトラックのLPはポニー・キャニオンから発売されました。このサウンドトラックには、時代を逆行する2曲やユン・ピョウの歌が含まれ、本編とは異なる音楽とセリフが組み合わされるというユニークな構成となっています。香港では、この作品が公開初期に歴代の興行収入記録を更新する大ヒットを記録し、その後わずか半年後には第3弾『七福星』が公開されました。1985年の香港興行成績では本作が1位、『七福星』が2位にランクインし、他の人気作品を抑えてトップに立つ結果となりました。

ストーリー概要

物語は、香港警察特捜部に所属するジャッキー（ジャッキー・チェン）とリッキー（ユン・ピョウ）が、マフィアである「かかし組」を追うところから始まります。彼らは日本の富士急ハイランドにてリッキーが捕まり、ジャッキーは相棒を失ったショックから旧友であるデブゴン（サモ・ハン・キンポー）への援助を要請します。デブゴンと彼の仲間たちは日本に渡り、リッキーの救出とマフィアの逮捕に挑むことになります。

登場人物

• - サモ・ハン・キンポー（キッドスタッフ）: 刑務所から出所する条件としてリッキー救助に参加。武道の技術は高いが、悪友と共に行動することに最初は戸惑う。
• - ユン・ピョウ（リッキー）: ジャッキーの相棒の刑事。物語の初期に捕らえられるが、後半で復帰する。
• - エリック・ツァン（ラウンドヘッド）: 新メンバーで、少し間抜けだが従順な性格。
• - リチャード・ン（サンディ）: 性的な興味を持つキャラクターで、以前の作品から続投。
• - バーバラ・ウー警部（シベール・フー）: 特捜部の婦人警官で、リッキー救助のためにジャッキーたちと共に来日。

制作の背景

映画は1984年の冬に日本でロケが行われ、サモ・ハン・キンポー監督が日本の魅力に惹かれたことから実現しました。ジャッキー・チェンは撮影中に怪我をしつつも最後まで撮影を続けましたが、極寒の条件が彼の体に影響を及ぼしました。撮影終了後も、関係者はそのまま宿泊し、その後の映画製作に一役買いました。

公開と評価

日本での劇場公開版は1987年の1月に放送され、その後も人気が衰えることはなく、特に日本での評価が高い作品となっています。続編となる『七福星』にもつながる、この作品は今なお多くのファンに愛され、香港映画の中でも重要な位置を占めるものとなっています。

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