香積寺 (関市)

香積寺は、岐阜県関市にある宝林山を山号とする曹洞宗の寺院です。本尊は白衣観音菩薩で、中濃八十八ヶ所霊場の第十二番札所となっています。この寺は、安桜山城主であった村山氏の菩提寺としても重要な役割を果たしてきました。

香積寺の歴史は、嘉慶元年(1387年)に土岐氏の家臣であった村山若狭守宗重が安桜山城主となった際に、菩提寺として智勝寺を建立したことに始まります。当初は臨済宗に属していましたが、開山については詳しい記録が残っていません。その後、元和年間に迫間大嶋氏の大嶋光重が中興開基となり、龍泰寺20世の鰲山正雪を中興開山として迎え、曹洞宗の寺院である香積寺へと改められました。

文化元年（1804年）には、火災により建物を焼失しましたが、その後再建され、現在に至っています。境内には、関の鍛冶師として知られる兼永の墓や、村山氏の宝篋印塔が残されており、歴史的な価値が高いとされています。また、寺の玄関には、城主の菩提寺としての格式が今もなお残っており、当時の面影を偲ぶことができます。

香積寺は、その長い歴史の中で、臨済宗から曹洞宗への改宗、火災による焼失と再建など、様々な変遷を経てきました。しかし、その都度、地域の人々の信仰を集め、今日まで守り伝えられてきました。現在では、静寂な佇まいを残し、訪れる人々に心の安らぎを与えています。また、中濃八十八ヶ所霊場の一つとして、多くの巡礼者が訪れる場所にもなっています。

参考文献

• - 『新修関市史』近世・近代・現代 p440　関市教育委員会 編　1999年
• - 『岐阜県の歴史散歩』岐阜県高等学校教育研究会公民・地歴部会、地理部会 編 2006年

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