馬麟 (水滸伝)

馬麟（ば りん）について

馬麟は、中国古典文学の名作『水滸伝』で描かれる登場人物であり、梁山泊の第67位の好漢です。彼は地明星の生まれ変わりとされ、非常に興味深いバックグラウンドを持つキャラクターです。元々は黄門山の第三頭領として知られ、また彼の渾名は「鉄笛仙」で、これは彼の達者な笛の演奏能力に由来しています。けれども、外見は豪快で、非常に強い戦士として描かれており、百人を相手にしても臆せず戦うことができるとされています。戦場では双刀使いとして活躍し、2本の銅刀を巧みに扱いながら戦闘を行います。

生い立ちと経歴

馬麟は建康で生まれ育ち、代々軍人の家系に属していました。若い頃は蕃子（岡っ引き）として生活していたものの、後に黄門山に隠れ住み、山賊として仲間を率いて活動するようになります。彼は仲間とともに4、500人の手下を抱え、山中に拠点を置いていました。彼の活躍する場面では、江州で梁山泊の一行が刑場を襲撃した際、彼は彼らを出迎えようとする行動を見せました。出迎えの際、故意に襲撃するような振りをして彼らに名乗りを上げさせ、正体を確認した後に自分の無礼を詫びて、梁山泊の一行を招待し大いにもてなしました。

この出来事を通じて、馬麟は宋江に梁山泊へ加入するよう誘われ、同朋としての結束を深めました。梁山泊に合流後、彼は一時的に家族を迎えに故郷に戻る宋江の危機を救出し、その後初期の組織編制で造船の責任者に任命されました。しかし、ほどなくして本格的な船大工である孟康が合流したため、役割は変わることになりました。

戦闘での功績

祝家荘との激闘において、彼は仲間の欧鵬が敵の女剣士・扈三娘との一騎討ちに苦戦している際に助太刀に入りましたが、運命には従い、戦況が悪化する中で退却を余儀なくされました。祝家荘が陥落した後は、李応を仲間に引き入れるための策略に参加し、かつての役割を生かして捕盗役人に変装するなど、巧妙な手段を駆使して戦いました。

百八星が集結した後は、小彪将として騎兵部隊の指揮をとり、斥候頭領としても地位を得ました。平時には宴席で自らの笛の腕前を披露し、仲間たちを楽しませることに貢献しました。その後、官軍との戦闘でも積極的に参加し、特に索超の副将として目立った活躍を見せます。田虎や方臘との合戦では、伏兵としての役割を果たし、敵を追い散らす重要な戦闘を行いました。

最期と影響

睦州攻めの際、彼は烏竜嶺の方臘側の要塞に挑む際に土地の古老から道を聞き出し、宋江がその情報を基に別働隊を編成する手助けをしました。しかし、彼自身は烏竜嶺の西陣を守り続け、敵軍の攻撃を食い止める勇猛な姿勢を見せました。最終的には、彼が白欽の投槍を受けてひるんだ隙を突かれ、石宝によって斬り捨てられてしまいます。彼の勇気と戦歴は『水滸伝』の中でも語り継がれ、彼の生き様は多くの読者に影響を与えています。

関連項目

• - 水滸伝百八星一覧表

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