駐日欧州連合代表部

駐日欧州連合代表部：EUと日本の架け橋

駐日欧州連合代表部は、日本における欧州連合（EU）の公式代表機関です。大使館に相当するこの機関は、EUと日本間の外交関係の中核を担い、両国の協力関係を強化発展させる重要な役割を担っています。

歴史：欧州共同体から欧州連合へ

その歴史は1974年にまで遡ります。当初は「駐日欧州共同体委員会代表部」として東京都千代田区に設立されました。その後、1990年には代表部代表が日本政府から大使として遇されるようになり、1993年にはマーストリヒト条約に基づき名称が「駐日欧州委員会代表部」に変更されました。

大きな転換期が訪れたのは2009年です。リスボン条約の発効により、欧州共同体（EC）が消滅し、欧州連合（EU）へと移行しました。これに伴い、代表部の権限が拡大し、「駐日欧州連合代表部」へと名称が変更されました。同時に、欧州対外行動局（当時欧州対外行動庁）の管轄下に入りました。

2011年には、港区南麻布に建設された「ヨーロッパハウス」へ移転。近代的なオフィス環境を整え、活動をより一層活発化させています。

組織：多様な部署による連携

駐日欧州連合代表部は、様々な部署から構成されています。主な部署としては、大使室、政治部、広報部、科学・イノベーション・デジタル・その他EU政策部、通商部、総務部などがあります。それぞれの部署が専門性を活かし、EUと日本の関係強化に貢献しています。

大使には、駐日欧州連合特命全権大使（EU大使）が任命されており、代表部全体の活動を指揮しています。現在、ジャン＝エリック・パケ氏が大使を務めています。

活動：多岐にわたる協力関係の促進

代表部の活動は多岐に渡ります。政治、経済、文化、科学技術など、あらゆる分野においてEUと日本の協力関係を促進するための活動を展開しています。具体的には、以下のような活動が挙げられます。

外交活動: EUの外交政策を日本に伝え、日本政府との協議や交渉を行います。
広報活動: EUの政策や活動を日本国民に分かりやすく伝え、理解を深めるための広報活動を行います。
通商活動: EUと日本の間の貿易や投資を促進するための活動を行います。
科学技術協力: EUと日本の研究機関間の協力や技術交流を促進します。
* 文化交流: EUと日本の文化交流を促進し、相互理解を深めます。

アクセスと情報

駐日欧州連合代表部は、公式ウェブサイト、Facebook、X（旧Twitter）、YouTubeチャンネルなどを運営しており、EUに関する様々な情報を発信しています。日本語と英語の両方で情報が提供されているため、日本に住む人々にとってEUを理解する上で非常に貴重な情報源となっています。また、公式ウェブマガジン『EU MAG』では、EUの政策や活動についてより深く知ることができます。

関係機関

代表部内には、駐日キプロス大使館も入居しています。EUと加盟国間の緊密な連携を示す一例と言えるでしょう。

駐日欧州連合代表部は、今後もEUと日本間の関係強化に貢献し、両国間の更なる発展に繋がる活動を展開していくことが期待されます。

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