駒が舞う

駒が舞う

『駒が舞う』は、日本の漫画家大島やすいちによる作品で、将棋を題材にしたストーリーが展開されます。この作品は、大島にとって初の連載作品であり、1972年から1973年にかけて『週刊少年サンデー』に連載されました。連載期間中には、全4巻の単行本が若木書房から、全5巻が日本文華社から、さらに愛蔵版として全3巻がさくら出版から刊行されています。また、その後デジタルコミックとしても展開され、多くの読者に親しまれています。

作者の背景

大島やすいちは、本作の執筆を高校卒業と同時に始めました。彼は実家のある京都で執筆を進めていたため、原稿が遅れがちになることもありました。その際には、母親に助けを求め、ベタやスクリーントーンの貼り付けを手伝ってもらう場面もあったと言います。このように、家庭の温かさと支えが感じられるエピソードが彼の作品づくりにも影響を与えたのかもしれません。

物語の舞台とあらすじ

物語は、生駒山麓のある町を舞台に展開されます。主人公である桂駒吉は、将棋を愛する少年で、父親が将棋の熱心さが原因で商売であるパンク修理店を失ってしまい、桂一家は京都へと引っ越すことになります。新しい町で中学生となった駒吉は、将棋を通じて多くの新しい出会いを経験しながら成長していく姿が描かれています。

キャラクターたち

桂駒吉（かつら こまきち）

物語の主人公、桂駒吉はいたずら好きでけんか好きの元気な少年です。彼は自らの好きな駒である桂馬を愛し、自身の将棋の腕前を磨くことに情熱を注ぎます。将棋を通じての仲間との出会いや、彼自身の成長を見守ることができるとして、多くの読者に共感を呼ぶキャラクターです。

西大寺千恵蔵（さいだいじ ちえぞう）

駒吉の友人であり、彼を支える存在です。二人の友情や将棋を通じたコミュニケーションが、物語の中で重要な要素となっています。

東山健吾（ひがしやま けんご）

駒吉が通う中学校の生徒会長であり、将棋部の主将でもある健吾は、駒吉にとっての強力なライバルです。彼との対戦や競争を通じて、駒吉はさらに自身の成長を促されることになります。

まとめ

『駒が舞う』は、将棋を通じて成長する少年の物語であり、友情や出会い、競争を描くことで多くの読者に感動を与えています。大島やすいちの初連載という点でも注目され、その後の彼の作品にも大きな影響を与えた重要な作品の一つと言えるでしょう。

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