桂馬

桂馬（けいま）

桂馬は将棋の駒の一つで、「桂」とも呼ばれています。この駒は、多くの将棋のバリエーションに存在し、特に本将棋において重要な役割を果たします。英語では、チェスのナイトに相当する駒として「knight」と表現され、略号は「N」です。桂馬の名称は、平安時代に貴重品として流通していた香料「肉桂」に由来しています。

概要

桂馬は全ての駒の中で唯一、他の駒を飛び越えて敵陣に進むことができる特異な動きが特徴です。前方向の2マスへの移動が可能ですが、後退はできません。この特性から、桂馬は主に攻撃的な役割を担う一方、初期位置にある場合は防御の駒としても機能します。

桂馬は持ち駒となると、他の駒を飛び越える能力を活かし、敵王を詰める局面での効果的な使用が期待されます。成駒である成桂になると、金将と同じように6方向に進めますが、他の駒を飛び越える能力が失われるため、成るか不成かは重要な戦略的判断を要します。特に敵陣三段目においては、桂馬の不成が可能であり、その選択肢は慎重に判断すべきです。

駒の動き

桂馬は本将棋や小将棋において重要な駒ですが、大将棋や摩訶大大将棋では異なる動きや制約があります。例えば、これらのゲームでは、桂馬が敵陣の奥に進む場合、不成のままだと行き所がなくなってしまうことがあります。

格言

桂馬にはいくつかの有名な格言が伝えられています。「桂の高跳び歩の餌食」は、他の駒を飛び越えられる能力を持つ桂馬が、前進できずに簡単に取られる危険性を指摘する警句です。また、「桂の王手に合駒効かず」は、桂馬の王手が特に強力であることを示しています。桂馬が成ると異なる動きになるため、時には「桂の不成に好手あり」という判断が生まれ、その使い方が勝利を導くこともあるのです。

歴史と他のゲームとの関わり

桂馬は、将棋の中で非常に古い歴史を持ち、インドの古典ゲームであるチャトランガの馬にルーツを持ちます。海外の将棋系ゲームでも、桂馬に相当する駒が存在しますが、それぞれのゲームでの動きには違いがあります。日本将棋の桂馬は、特有の2方向のみの進行方式を持ち、この点が他の多くのボードゲームとは異なる特徴です。

まとめ

桂馬は将棋において多くの戦略的要素を持つ駒であり、攻撃と防御の両面で優れた能力を発揮します。その独特な動きとプレイスタイルは、棋士にとって重要な選択肢を提供し、ゲーム全体の流れに大きく影響を与えます。そして、桂馬に関連する数多くの格言は、その使い方や戦略に関する深い洞察を与えてくれます。

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