駒ヶ根市立博物館

駒ヶ根市立博物館

駒ヶ根市立博物館は、長野県駒ヶ根市上穂栄町の駒ヶ根総合文化センター内に位置する博物館です。この博物館は、地域の歴史、文化、自然に関する幅広い資料を収集・展示しており、駒ヶ根市の歴史と文化を深く理解するための重要な拠点となっています。

歴史

博物館の歴史は、1952年（昭和27年）に実業家・相川道之助氏からの寄付を基に、上伊那郡赤穂町に開館した赤穂郷土博物館に遡ります。その後、1954年（昭和29年）に赤穂町を含む周辺町村が合併して駒ヶ根市が発足したことに伴い、駒ヶ根市博物館と改称されました。

1957年には、開館当初から継続されていた光前寺の調査が完了し、1986年（昭和61年）には駒ヶ根総合文化センターが完成した際に、博物館も同センター内に移転しました。この時、駒ヶ根市立図書館も併設され、文化的な複合施設としての機能が強化されました。

収蔵品

博物館の収蔵資料は10万点を超え、その内訳は、郷土作家の書画、埋蔵文化財などの考古資料、赤須町文書、横山家文書、民俗資料、植物標本、きのこ標本、伊那谷産の蝶の標本などの自然資料、田中刀匠資料、郷土関係写真など多岐にわたります。建物の床面積は756平方メートルで、展示・陳列室が399平方メートル、収蔵・保管庫が273平方メートル、事務・管理室が54平方メートル、その他が30平方メートルとなっています。

人文科学資料：近代美術資料72点、考古学資料70,000点、民俗資料270点、民族・人類学資料11,000点
自然科学資料：動物資料3点、植物資料1,000点
図書類等：図書1,900点、写真206点

駒ヶ根市郷土館

駒ヶ根市郷土館は、駒ヶ根市立博物館の付属施設であり、駒ヶ根市赤穂に位置しています。

歴史

この建物は、元々1922年（大正11年）に上伊那郡赤穂村役場として建てられたもので、その後、駒ヶ根市役所旧庁舎として利用されていました。その後、駒ヶ根高原・大沼湖畔に移築されました。木造2階建ての洋風建築であり、外観は近世コロニアル様式、内装は近世ルネサンス様式の特徴を備えています。1971年（昭和46年）に駒ヶ根市役所新庁舎が建設された際に現在地に移築・復元され、1976年（昭和51年）3月30日には市の有形文化財に指定されています。

駒ヶ根市民俗資料館

駒ヶ根市民俗資料館は、駒ヶ根市立博物館のもう一つの付属施設であり、駒ヶ根市中沢にあります。

歴史

この資料館は、1871年（明治5年）に開校した中沢学校（現在の駒ヶ根市立中沢小学校）の旧校舎を利用しています。1909年（明治42年）に建設された校舎（現存せず）に加え、1913年（大正2年）に増築された校舎（現存）が、資料館として利用されています。

1972年（昭和47年）には、開校100周年記念事業の一環として郷土室が充実され、地域住民による郷土資料の収集が行われました。1981年（昭和56年）に新校舎が完成すると、旧校舎の一部が駒ヶ根市立博物館の付属施設である駒ヶ根市民俗資料館として生まれ変わりました。その後、1991年（平成3年）には屋根の葺き替え、1996年（平成8年）には内装・外装の修繕が実施されました。建物は、1996年（平成8年）1月24日に駒ヶ根市指定有形文化財に指定されています。

収蔵品

資料館の敷地面積は1050平方メートル、建物の延床面積は627平方メートルです。展示・陳列室が600平方メートル、その他が27平方メートルを占めています。館内では、山間部の民家の台所や水車の復元が行われており、山間部の生活を想起させる民具などが展示されています。数台の機織機や、明治から昭和にかけての教科書類なども収蔵されています。

人文科学資料：考古学資料630点、民族資料1,100点、歴史資料130点
* 図書類等：図書2,000点

これらの施設を通じて、駒ヶ根市の歴史や文化、そして人々の生活に触れることができます。駒ヶ根を訪れた際には、ぜひこれらの博物館・資料館に足を運んでみてください。

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