駒沢町

駒沢町（こまざわまち）

駒沢町は、かつて東京府荏原郡に存在した町です。現在の東京都世田谷区の東部に位置しており、その区域は下馬、上馬、弦巻、野沢、駒沢、駒沢公園、桜新町、新町といった地域におおよそ該当します。

歴史

駒沢町の歴史は、1889年（明治22年）の町村制施行に端を発します。この時、下馬引沢村、上馬引沢村、野沢村、世田ヶ谷新町村の全域と、深沢村、弦巻村、世田ヶ谷村、下野毛村の各一部が合併し、駒沢村が誕生しました。

合併前の村
下馬引沢村
上馬引沢村
野沢村
世田ヶ谷新町村
深沢村（一部、残部は玉川村へ）
弦巻村（一部、残部は世田ヶ谷村へ）
世田ヶ谷村（一部、残部は世田ヶ谷村と松沢村へ）
下野毛村（一部、残部は玉川村へ）

その後、1925年（大正14年）10月1日には、駒沢村が町制を施行し、駒沢町となりました。しかし、その歴史は長くは続かず、1932年（昭和7年）10月1日に荏原郡全域が東京市に編入され、駒沢町の区域は新たに設置された世田谷区の一部となりました。

行政

駒沢町の歴代町長として、大倉勝馬の名前が記録されています。

交通

駒沢町には、かつて玉川電気鉄道（現在の東急電鉄）の玉川線が通っていました。この路線には、以下の駅が存在していました。

中里駅
上馬駅
真中駅
駒沢駅
新町駅
桜新町駅

また、町内には玉川通りが主要な道路として整備されていました。

現在の地名

現在の世田谷区における以下の地域が、おおむね駒沢町があった場所にあたります。

下馬
上馬
弦巻
野沢
駒沢
駒沢公園
桜新町
新町

教育機関

駒沢町には、以下の教育機関が存在していました。

駒澤大学
明治大学駒沢運動場（1930年に明治薬学専門学校に売却）
東京高等獣医学校
帝国自動車学校
駒沢農商公民学校
駒沢青年訓練所
駒沢尋常高等小学校
深沢尋常小学校
旭尋常小学校

出身・ゆかりのある人物

駒沢町にゆかりのある人物として、薬学者の平山松治が挙げられます。彼は富山薬学専門学校の校長を務めました。平山の遺族宅は駒沢町上馬にありました。

参考文献

薬石日報社編纂『薬業年鑑 昭和10年』薬石日報社、1935年
東京市臨時市域擴張部 『荏原郡駒澤町現状調査』 1931年

関連項目

* 東京都の廃止市町村一覧

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