駿府政事録

『駿府政事録』（すんぷせいじろく）は、慶長16年（1611年）8月1日から元和元年（1215年）12月29日までの期間における、駿府城での徳川幕府の政治状況を記録した漢文体の日記です。全9巻で構成され、同様の内容を記した『駿府記』という記録も存在します。

概要

『駿府政事録』は、幕府御金改役であった後藤庄三郎光次の著作であるとされています。しかし、儒学者として知られる林羅山が著したのではないかという説も存在します。現在、安永6年（1777年）に作成された写本が龍谷大学図書館に所蔵されています。

『駿府政事録』には、慶長18年（1613年）8月に「二之丸立花火」という記述が見られます。この記述から、徳川家康が駿府城において花火を鑑賞したという事実が確認できます。この記録は、信頼性の高い史料において花火に関する記述として初めて確認できるものとして、非常に重要な意味を持っています。

この記述は、当時の花火がどのようなものであったのか、誰が花火を上げて、誰が見物したのか、その目的は何であったのか、といった疑問を提起し、様々な研究を誘発しています。例えば、花火は家康を楽しませるためのものであったのか、あるいは外交的な意味合いを持っていたのかなど、様々な解釈が考えられます。当時の花火は現代のものとは異なり、簡素なものであったと考えられますが、その美しさは人々を魅了し、特別なイベントを彩ったことは想像に難くありません。

『駿府政事録』は、単なる政治記録としてだけでなく、当時の文化や社会を知る上でも貴重な史料です。徳川家康をはじめとする歴史上の人物の生活や考え方、そして当時の人々の暮らしぶりを垣間見ることができます。特に、花火に関する記述は、当時の文化や技術水準を知る上で重要な手がかりとなります。

関連項目

* 徳川家康の影武者説：徳川家康に関する逸話の一つです。

このように、『駿府政事録』は、江戸時代初期の政治、文化、社会を知る上で欠かせない史料であり、花火に関する記述は、当時の文化や技術水準を知る上で重要な手がかりとなります。

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