高ヶ坂石器時代遺跡

高ヶ坂石器時代遺跡

高ヶ坂石器時代遺跡（こうがさかせっきじだいいせき）は、東京都町田市高ヶ坂に位置する縄文時代中期から後期にかけての集落遺跡です。この遺跡は1926年（大正15年）に国の史跡に指定され、縄文時代の貴重な文化を今に伝えています。

概要

高ヶ坂石器時代遺跡は、恩田川沿いの段丘上に存在し、複数の遺跡から構成されています。その中には、牢場（ろうば）遺跡、稲荷山（いなりやま）遺跡、八幡平（はちまんだいら）遺跡の3つがあります。特に縄文中期から後期の特徴を持つ柄鏡形敷石建物があり、このような遺構の確認は日本で初めて行われました。1924年には、南多摩郡南村の小学校長・山本亀三が土器片の発見を報告し、翌年1925年には考古学者の後藤守一がこの遺跡の調査に着手しました。

各遺構

1. 牢場遺跡

牢場遺跡は縄文後期の敷石建物跡です。この遺構は楕円形の平面を持ち、長径が5メートル、短径が3.85メートルのサイズとなっています。また、炉を備えていることが特筆されます。現在、この遺構は覆屋に保護されており、訪れる人々は見学することができます。

2. 稲荷山遺跡

稲荷山遺跡は、牢場遺跡の西南27メートルの地点に位置し、縄文後期から晩期の不整系の配石遺構がありますが、その詳細は不明とされています。遺構自体は埋め戻されており、地表にはその様子を再現した構造物が設けられています。

3. 八幡平遺跡

八幡平遺跡は、上記の2つの遺跡から北へ800メートルほど離れた場所にあり、谷を挟んだ向かいの台地に位置します。この遺跡は縄文中期末に築かれた敷石建物跡で、直径3.45メートルの円形の形状をしています。また、2021年4月からは一部が遺跡公園として一般公開されています。

結論

高ヶ坂石器時代遺跡は、縄文時代の人々の生活や文化を知る上で非常に重要な遺跡であり、その歴史的価値から多くの人に訪れられています。また、遺構の保護と公開の取り組みが進められ、未来の世代にこの貴重な文化遺産が引き継がれることが期待されています。

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