高丈二

高丈二（こう じょうじ）は、1938年11月22日生まれの日本の声楽家であり、テノール歌手、オペラ歌手、そして音楽教育者としても広く知られています。沖縄県立芸術大学と聖徳大学の名誉教授でもあります。記録によると、旧名は黄耀明であったとされています。

兵庫県神戸市で生まれ育ち、1958年に兵庫県立神戸高等学校を卒業しました。その後、1963年に東京藝術大学を卒業、1965年には同大学院のオペラ科を修了しました。声楽家としての道を歩み始めるにあたり、渡邊高之助に師事しました。

1965年、モーツァルトのオペラ『魔笛』でタミーノ役を演じ、声楽家としてのデビューを果たしました。1968年からはイタリアに留学し、ヴェルディ音楽院でエットレ・カンポガッリアーニに師事しました。1970年にはミラノのレオーネⅩIII劇場でロッシーニのオペラ『セヴィリアの理髪師』のアルマヴィーヴァ伯爵役を演じ、高い評価を得ました。さらに1971年には、ミラノでイタリア創作オペラ『4×5』に出演、ジェノヴァでも『セヴィリアの理髪師』に出演するなど、国際的な舞台で活躍しました。

1971年に帰国してからは、二期会を中心に、古典からミュージカル、日本オペラ、中国オペラなど幅広いジャンルの舞台に出演し、日本を代表するテノール歌手としての地位を確立しました。また、ラジオやテレビなどのメディア出演や、コンサートシンガーとしての活動も精力的に行いました。

教育者としては、東京藝術大学、沖縄県立藝術大学、聖徳大学で教鞭を執り、多くの優れた門下生を育てました。門下生による「高声会」は、その教育者としての功績を物語るものでしょう。2015年には、「高声会30周年記念特別演奏会」が開催され、多くの門下生たちが集い、その才能を披露しました。

高丈二は、これらの功績が認められ、現在は聖徳大学名誉教授、沖縄県立芸術大学名誉教授の称号を持っています。また、財団法人東京二期会理事、声楽会員「二期会」幹事長、日伊音楽協会理事、日本中国文化交流協会常任理事を歴任し、現在は二期会名誉会員、公益財団法人東京二期会顧問、NPO法人日本声楽家協会正会員という要職も務めています。

主な受賞歴としては、1969年にイタリアのエンナ市国際音楽コンクール声楽部門で第3位入賞、同じく1969年にイタリアのメラーノ市国際オペラコンクールで第2位入賞、そして1980年度には第8回ウィンナーワルド・オペラ賞（後のジロー・オペラ賞）を受賞しています。

高丈二は、声楽家、オペラ歌手としての卓越した才能に加え、教育者としても多くの音楽家を育成し、日本の音楽界に多大な貢献をしました。その功績は、これからも長く語り継がれることでしょう。

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