高倉山 (神戸市)

高倉山の歴史

高倉山は、かつて神戸市須磨区に位置し、標高291.5mを誇る山でした。しかし、昭和30年代末から、その運命は大きく変わります。神戸市が進めるポートアイランドや東部臨海工業地帯の造成事業のため、高倉山は土砂採取の現場となったのです。

採取された土砂は、全長14.7kmにも及ぶ須磨ベルトコンベヤで須磨桟橋まで運ばれ、そこから海上輸送によって埋立地へと運ばれました。山頂付近は大規模に削り取られ、その跡地は宅地として造成されました。そして、昭和48年（1973年）には、須磨ニュータウンの一部である高倉台団地として生まれ変わったのです。

当初、高倉山は全て削り取る計画でしたが、山の消失による気象変化を懸念した地元住民の反対運動が起こりました。その結果、標高200mまで削られた時点で、土砂採取は中断されました。

おらが山

高倉山と鉄拐山を結んでいた稜線の一部、高倉台団地にほど近い場所は、「おらが山」と呼ばれる公園として整備されています。この公園の最高地点は標高約200mで、かつて高倉山があったことを示すモニュメントが設置されています。また、かつてはレストハウス「おらが茶屋」も営業しており、地域住民の憩いの場となっていました。

六甲全山縦走路の一部

おらが山は、須磨浦公園から宝塚へと続く六甲全山縦走路の経路上に位置しており、ハイカーにとっては重要なポイントとなっています。鉄拐山と高倉台団地の間に位置し、自然を満喫しながらハイキングを楽しむことができます。

アクセス

公共交通機関を利用する場合は、神戸市バス75系統に乗り、「高倉台バス停」で下車し、そこから徒歩約400mでアクセスできます。

参考文献

詳細な情報については、以下の文献や資料をご参照ください。

（参考文献の情報は現状提供されていません）

関連項目

灘山：高倉山と同様に、埋立地造成のための土砂採取により消滅した山。同じく兵庫県に存在していたという共通点があります。

高倉山は、その姿を大きく変えましたが、現在では公園として整備され、人々に親しまれています。その歴史を振り返ることで、都市開発と自然環境の関係について考えるきっかけとなるでしょう。

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