高史明
高史明（コ・サミョン、こう しめい）は、1932年に山口県下関市で生まれた在日朝鮮人二世の小説家です。本名は金天三（キム・チョンサム）といいます。
幼少期に母親と死別し、石炭仲仕の父親に育てられました。高等小学校を中退後、様々な職業を転々としますが、その中で、朝鮮が日本の植民地であったことが、差別と貧困につながっていることに気づき、政治活動に参加するようになります。
1971年に初の著作『夜がときの歩みを暗くするとき』を発表し、作家としての活動を本格的に開始しました。1975年には『生きることの意味』で日本児童文学者協会賞と産経児童出版文化賞を受賞し、児童文学作家としても高い評価を得ました。
また、高史明は社会運動にも積極的に関わっており、1975年には詩人の金芝河が反共法違反で再逮捕された際、大江健三郎、小田実らとともにハンガーストライキを行い、金芝河の釈放を訴えました。
同年には、一人息子の岡真史が12歳で自ら命を絶つという悲劇に見舞われました。その遺稿詩集『ぼくは12歳』を妻の岡百合子とともに編纂し、出版。この作品は1979年にNHKでテレビドラマ化され、多くの人々に感動を与えました。
息子の死後、高史明は親鸞と『歎異抄』の教えに深く帰依し、著作活動の傍ら、各地で講話活動を行うようになります。親鸞の教えを通して、生と死、そして人間の存在について深く考察し、その思想を多くの人々に伝えました。
2008年には、NHKの「ETV特集」に出演し、爆笑問題の太田光が自宅を訪問したことが話題となりました。2010年には、自らのメッセージを綴った言葉の本『高史明の言葉ーいのちは自分のものではない』を発表。また、集大成として『古事記』の時代から現代まで日本史の闇をひもとく大著『月愛三昧』を上梓しました。
高史明は、2023年7月15日に神奈川県の自宅で老衰のため亡くなりました。91歳でした。彼の作品は、差別や貧困、戦争といった社会的な問題と、生と死、人間の存在といった普遍的なテーマを深く掘り下げ、多くの人々に影響を与え続けています。
主な著書
『夜がときの歩みを暗くするとき』（1971年）
『彼方に光を求めて』（1973年）
『生きることの意味 ある少年のおいたち』（1974年）
『一粒の涙を抱きて 歎異抄との出会い』（1977年）
『深きいのちに目覚めて』（1980年）
『いのちの優しさ』（1981年）
『夜空に星のまたたく限り O.Mさんへの手紙』（1981年）
『歎異抄との出会い』（1983年-1985年）
『歎異抄 この不思議ないのちの光』（1985年）
『生きることを学んだ本』（1987年）
『子どもたちと光といのち』（1987年）
『生きることと読むこと』（1991年）
『真実のいのちに導かれて』（1991年）
『歎異抄のこころ』（1993年）
『「ことばの知恵」を超えて 同行三人』（1993年）
『悲しみを通して真実のいのちをいただく』（1993年）
『死に学ぶ生の真実』（1994年）
『真夏の蒼い寒い空を見上げて 「八月十五日」に思う』（1995年）
『いま子どもたちの闇は』（1995年）
『いのちの涙あふれ』（1998年）
『いま真宗の信心を戴く』（1998年）
『いま「いのち」の声を聞く 自死のわが子より学びしこと』（1999年）
『現代によみがえる歎異抄』（2001年、2010年）
『知恵の落とし穴』（2001年）
『高史明親鸞論集』（2003年）
『闇を喰む』（2004年）
『念仏往生の大地に生きる』（2005年）
『悲の海は深く』（2005年）
『世のなか安穏なれ 『歎異抄』いま再び』（2006年）
『光明は黒闇のただ中に 戦争の闇をみつめる』（2007年）
『いのちは自分のものではない 高史明の言葉』（2010年）
『月愛三昧(がつあいさんまい) 親鸞に聞く』（2010年）
『『歎異抄』と現代』（2011年)
共著・編著
岡真史『ぼくは12歳』（1976年）
『いのちの行方 人間とは何か』（1981年）
『親鸞と暗闇をやぶる力 宗教という生きる知恵』（2003年）
『存在の大地』（2005年）
『念仏者と平和 改憲・教育基本法「改正」問題と私たち』（2007年）
『布施辰治と朝鮮』（2008年）
『現代社会における浄土真宗 兵庫教区青年僧侶の会30周年記念シンポジウム』（2011年）
『いのちと責任 対談高史明・高橋哲哉』（2012年)
ドキュメンタリー
こころの時代「歎異抄に導かれて」（2004年、NHK Eテレ）
オーディオブック
* CD『歎異抄』に学ぶ（2003年）
高史明の生涯は、差別や貧困、そして愛する息子の死という深い悲しみを経験しながらも、人間としての存在意義を問い続け、その思想を作品や講演を通して人々に伝えたものでした。彼の言葉は、今もなお多くの人々の心に響き、生きる力を与え続けています。
幼少期に母親と死別し、石炭仲仕の父親に育てられました。高等小学校を中退後、様々な職業を転々としますが、その中で、朝鮮が日本の植民地であったことが、差別と貧困につながっていることに気づき、政治活動に参加するようになります。
1971年に初の著作『夜がときの歩みを暗くするとき』を発表し、作家としての活動を本格的に開始しました。1975年には『生きることの意味』で日本児童文学者協会賞と産経児童出版文化賞を受賞し、児童文学作家としても高い評価を得ました。
また、高史明は社会運動にも積極的に関わっており、1975年には詩人の金芝河が反共法違反で再逮捕された際、大江健三郎、小田実らとともにハンガーストライキを行い、金芝河の釈放を訴えました。
同年には、一人息子の岡真史が12歳で自ら命を絶つという悲劇に見舞われました。その遺稿詩集『ぼくは12歳』を妻の岡百合子とともに編纂し、出版。この作品は1979年にNHKでテレビドラマ化され、多くの人々に感動を与えました。
息子の死後、高史明は親鸞と『歎異抄』の教えに深く帰依し、著作活動の傍ら、各地で講話活動を行うようになります。親鸞の教えを通して、生と死、そして人間の存在について深く考察し、その思想を多くの人々に伝えました。
2008年には、NHKの「ETV特集」に出演し、爆笑問題の太田光が自宅を訪問したことが話題となりました。2010年には、自らのメッセージを綴った言葉の本『高史明の言葉ーいのちは自分のものではない』を発表。また、集大成として『古事記』の時代から現代まで日本史の闇をひもとく大著『月愛三昧』を上梓しました。
高史明は、2023年7月15日に神奈川県の自宅で老衰のため亡くなりました。91歳でした。彼の作品は、差別や貧困、戦争といった社会的な問題と、生と死、人間の存在といった普遍的なテーマを深く掘り下げ、多くの人々に影響を与え続けています。
主な著書
『夜がときの歩みを暗くするとき』（1971年）
『彼方に光を求めて』（1973年）
『生きることの意味 ある少年のおいたち』（1974年）
『一粒の涙を抱きて 歎異抄との出会い』（1977年）
『深きいのちに目覚めて』（1980年）
『いのちの優しさ』（1981年）
『夜空に星のまたたく限り O.Mさんへの手紙』（1981年）
『歎異抄との出会い』（1983年-1985年）
『歎異抄 この不思議ないのちの光』（1985年）
『生きることを学んだ本』（1987年）
『子どもたちと光といのち』（1987年）
『生きることと読むこと』（1991年）
『真実のいのちに導かれて』（1991年）
『歎異抄のこころ』（1993年）
『「ことばの知恵」を超えて 同行三人』（1993年）
『悲しみを通して真実のいのちをいただく』（1993年）
『死に学ぶ生の真実』（1994年）
『真夏の蒼い寒い空を見上げて 「八月十五日」に思う』（1995年）
『いま子どもたちの闇は』（1995年）
『いのちの涙あふれ』（1998年）
『いま真宗の信心を戴く』（1998年）
『いま「いのち」の声を聞く 自死のわが子より学びしこと』（1999年）
『現代によみがえる歎異抄』（2001年、2010年）
『知恵の落とし穴』（2001年）
『高史明親鸞論集』（2003年）
『闇を喰む』（2004年）
『念仏往生の大地に生きる』（2005年）
『悲の海は深く』（2005年）
『世のなか安穏なれ 『歎異抄』いま再び』（2006年）
『光明は黒闇のただ中に 戦争の闇をみつめる』（2007年）
『いのちは自分のものではない 高史明の言葉』（2010年）
『月愛三昧(がつあいさんまい) 親鸞に聞く』（2010年）
『『歎異抄』と現代』（2011年)
共著・編著
岡真史『ぼくは12歳』（1976年）
『いのちの行方 人間とは何か』（1981年）
『親鸞と暗闇をやぶる力 宗教という生きる知恵』（2003年）
『存在の大地』（2005年）
『念仏者と平和 改憲・教育基本法「改正」問題と私たち』（2007年）
『布施辰治と朝鮮』（2008年）
『現代社会における浄土真宗 兵庫教区青年僧侶の会30周年記念シンポジウム』（2011年）
『いのちと責任 対談高史明・高橋哲哉』（2012年)
ドキュメンタリー
こころの時代「歎異抄に導かれて」（2004年、NHK Eテレ）
オーディオブック
* CD『歎異抄』に学ぶ（2003年）
高史明の生涯は、差別や貧困、そして愛する息子の死という深い悲しみを経験しながらも、人間としての存在意義を問い続け、その思想を作品や講演を通して人々に伝えたものでした。彼の言葉は、今もなお多くの人々の心に響き、生きる力を与え続けています。
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