高向巖

高向巖（たかむき いわお）氏は、1938年12月11日生まれの日本の銀行家です。東京府で生まれ、東京都立立川高等学校を経て、1962年に東京外国語大学外国語学部中国学科を卒業しました。その後、日本銀行に入行し、金融のプロフェッショナルとしてのキャリアをスタートさせました。

高向氏は、1967年にコロンビア大学大学院経済学科修士課程を修了しており、国際的な視野も持ち合わせていました。日本銀行では、国際通貨基金への出向や香港事務所長などを歴任し、国際金融の知識と経験を深めました。1987年には日本銀行札幌支店長に就任し、北海道との関わりを深めました。その後、1989年にはインベスターズサービス常務取締役に就任し、民間企業での経験も積んでいます。

1991年には日本銀行情報サービス局長に就任し、情報戦略の重要性を認識しました。1993年からは北洋銀行に移り、代表取締役副頭取に就任。1997年には、経営破綻した北海道拓殖銀行の営業譲渡という、北海道経済史に残る大事業を成し遂げました。この決断は、北海道経済の安定に大きく貢献し、高向氏の手腕が高く評価されるきっかけとなりました。

2000年には北洋銀行の代表取締役頭取に就任し、その後も2001年に札幌北洋ホールディングスの代表取締役社長、2004年には札幌商工会議所会頭、北海道商工会議所連合会会頭、日本商工会議所副会頭、第二地方銀行協会会長など、数多くの要職を歴任しました。2006年には札幌北洋ホールディングスの代表取締役会長、北洋銀行の代表取締役会長に就任し、グループ全体の経営を牽引しました。

2011年には札幌北洋ホールディングスの取締役会長、北洋銀行の取締役会長となり、2012年には北洋銀行相談役に退きました。2016年には札幌商工会議所名誉会頭、JR北海道再生会議委員に就任し、地域経済の発展に尽力しました。2017年の北海道拓殖銀行破綻20周年を節目に、北洋銀行相談役を退任しました。

高向氏は、2016年に旭日中綬章を受章しています。また、著書として『北海道経済の針路 新幹線と起業』（2008年）や、『ある金融マンの回顧 拓銀破綻と営業譲渡』（2017年）を出版しており、自身の経験や北海道経済への提言を広く発信しています。これらの著書は、北海道経済の歴史を理解する上で貴重な資料となっています。

高向巖氏は、金融界だけでなく、北海道経済界においても重要な役割を果たし、その功績は多方面から高く評価されています。

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