高坂彫刻プロムナード

高坂彫刻プロムナード：高田博厚の彫刻群が彩る散策路

埼玉県東松山市にある高坂彫刻プロムナードは、東武東上線高坂駅西口から伸びる道路沿いに、彫刻家・高田博厚氏の力強い彫刻作品32体が約1kmにわたって展示された、全国的にも稀有な彫刻群です。1986年の高坂駅西口の区画整理事業に伴い、東松山市によるまちづくりプロジェクトとして誕生しました。

プロムナード誕生の経緯

このプロムナード誕生の背景には、詩人でもあった東松山市教育委員会教育長、田口弘氏の尽力があります。田口氏は、国文学者・俳人の柳田知常氏を師事しており、その縁から高田博厚氏と出会い、親交を深めました。1980年には、高田氏の彫刻展を東松山市民活動センターで開催するなど、交流を育んでいました。

高坂駅西口の土地区画整理事業が進む中、田口氏は事業完了を機に、一流作家の作品で飾られた彫刻通りを提案。高田氏への呼びかけが実り、1986年から1994年にかけて、複数回に分けて32体の彫刻が設置されました。

その後、2017年には高田氏の全遺品が東松山市に寄贈されたことを記念し、高坂駅西口に案内板を設置。ロータリー内の2作品をライトアップするなど、プロムナードの整備が進められました。さらに、2023年からは東松山市教育委員会主催による芸術イベント「ひがしまつやまアートフェスタin高坂彫刻プロムナード」が開催されるようになり、地域活性化にも貢献しています。

プロムナードの特徴

高坂彫刻プロムナードは、いくつかの特徴を持っています。

全国でも類を見ない規模: 一流作家の一人による、これだけの数の彫刻作品が屋外に展示されている例は全国的にも稀です。
作者の言葉が添えられた作品: 30体の彫刻の台座には、高田氏の著作からの抜粋文が添えられており、作品に込められた思いや芸術観に触れることができます。
自由に鑑賞できる空間: 歩道上に作品が展示されているため、自由に写真撮影や直接触れることも可能です。
細やかな維持管理: 高田氏に師事した沖村正康氏が経営する工房による、年2回のメンテナンスにより、彫刻は常に良好な状態を保たれています。

アクセスと周辺情報

高坂彫刻プロムナードへのアクセスは非常に便利です。東武東上線高坂駅西口から徒歩1分と、駅チカに位置しています。関越自動車道東松山インターチェンジからも車で10分と、車でのアクセスも良好です。周辺には、高坂駅周辺の商業施設なども多くあり、散策と合わせて楽しむことができます。

まとめ

高坂彫刻プロムナードは、自然豊かな環境の中で、高田博厚氏の芸術に触れられる貴重な場所です。気軽に訪れ、彫刻作品を通して、作者の感性や東松山市の魅力を感じることができるでしょう。 多くの資料や関連イベントも開催されており、より深く高田博厚氏とその作品について知りたい方にもおすすめです。

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