高城郡 (江原特別自治道)

高城郡 (コソンぐん)

高城郡は、朝鮮半島の中東部に位置し、大韓民国江原特別自治道の沿海部に属する行政区域です。この地は、朝鮮半島を東西に分断する軍事境界線の最東端にあたり、境界線の北側、すなわち北朝鮮にも同名の行政区域が存在するという、南北分断の歴史を色濃く反映した独特の場所です。

地理と特徴

郡域は西南を麟蹄郡、南を束草市に接しています。韓国の実効支配区域内で最も北に位置する「統一展望台」が1983年に開設されており、ここから非武装地帯（DMZ）や北朝鮮の風景を間近に望むことができます。高城郡は美しい自然環境に恵まれ、海岸線沿いには海水浴場、内陸部にはスキー場なども開発されています。分断の歴史と豊かな自然が共存するこの地は、国内外から多くの観光客が訪れます。

歴史

高城郡の現在の区域は、かつて日韓併合期以前は杆城郡の一部でした。朝鮮戦争休戦後、韓国は休戦ライン以北の地域を収復し、1954年に施政権が回復され、4面体制で再出発。その後、行政区域は再編され、1963年には襄陽郡から竹旺面と土城面が返還され6面体制に。1973年には巨津面が巨津邑に昇格、土城面の一部は束草市に編入。1979年には杆城面も杆城邑となり、現在の2邑4面体制が確立されました。

行政

現在、高城郡は杆城邑と巨津邑の2つの邑と、県内面、竹旺面、土城面、水洞面の4つの面で構成されています。郡庁所在地は杆城邑下里。県内面の一部および水洞面の全域は、民間人出入統制区域内の無人地域となっており、水洞面の戸籍などは杆城邑が代行しています。治安は高城警察署、消防は高城消防署が担当します。

産業

高城郡の主要産業は漁業です。東海（日本海）での漁獲が盛んで、特にスケトウダラは郡を代表する魚、「郡の魚」に指定されています。

交通

郡内には東海北部線が通過しており、猪津駅が設置されています。現在は一部区間を除き運行されていませんが、将来的な南北間の鉄道連結において、重要な役割を担う可能性があります。

観光

高城郡には、分断の歴史を学ぶ場所と豊かな自然を楽しむ場所、両方の側面を持つ観光スポットがあります。最北に位置する統一展望台のほか、DMZ博物館や統一安保公園では、朝鮮半島の現状を学ぶことができます。自然関連では、花津浦湖や松池湖、海洋博物館などがあります。また、歴史的な人物に関連する記念館や、故郷を離れざるを得なかった人々の記録を残す失郷民歴史史料館なども点在しています。

姉妹都市

国内外の都市との交流も積極的に行われています。韓国国内ではソウル特別市江北区（2000年締結）、国外では中華人民共和国黒竜江省の鶏西市（2001年締結）とそれぞれ姉妹結縁を結び、交流を深めています。

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